「農民」記事データベース20150803-1176-07

GMナタネ自生調査
全国報告会


近縁種との交雑進む
国内での世代交代も

画像  遺伝子組み換え(GM)ナタネ自生調査の全国報告会が7月12日、愛知県名古屋市で行われました。主催は遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンと食と農から生物多様性を考える市民ネットワーク(食農市民ネット)。

 「身近に迫る遺伝子汚染 GMナタネから雑草へ? 長期自生の影響」というタイトルで開催された同報告会では、近縁種の雑草と交雑が進み、遺伝子汚染の深刻な現状が報告されました。

 食農市民ネットの共同代表、河田昌東さんが「GMナタネから雑草へ!!拡(ひろ)がり始めたGM交雑」というタイトルで基調講演。「セイヨウナタネが多年草化し国内で世代交代を起こしている。今年の抜き取りでは6年物のナタネがあった。またアブラナ科の特徴として、種、属が違っても交配できることから、野菜や雑草との交雑が進んでいる」と現状を報告し「いたちごっこの現状を変えて、何とか自生がなくなるようにしないといけない」と呼びかけました。

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農民連食品分析センターの調査結果

 遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンの纐纈(こうけつ)美千世さんは同キャンペーンが947検体を調査しGMナタネが53検体。そのうち除草剤ラウンドアップをまいても枯れない耐性(RR)が21検体、除草剤バスタで枯れない耐性(LL)が30検体、両方の耐性を持つものが2検体あったことを報告するとともに、「GMナタネの調査は、市民による科学的調査として世界でも高い評価を受けている。韓国の市民団体も調査に前向きになるなど、世界に広がりつつある」と報告しました。

 各地の生協からも調査の報告が行われました。特にグリーンコープ生協くまもとの牧幸子理事長が、「天草市での調査結果を市に伝えたところ、『とてもいい取り組みだ』ということで市が独自に3年間調査をすることになった」と報告。運動が自治体を動かしていることが示されました。

 パネルディスカッションでは農民連食品分析センターの八田純人所長が河田さんとともにパネリストを務め、八田さんは今回の調査について「両方に耐性を持つものが増えてきている。そういった製品が入ってきたのか、あるいは交雑が進んでいるのか、注意してみていきたい」と述べました。

(新聞「農民」2015.8.3付)
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2015年8月

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