国際土壌年記念企画
「土ってなんだろう?」
埼玉「川の博物館」で開催
土の仕組み・働き わかりやすく解説
生き物が活発な農地は元気いい
今年は国連が定める「国際土壌年」です。埼玉県立「川の博物館」(寄居町)では5月企画展「土ってなんだろう?」を6月21日まで開催しました。
土の大切さを実感
土の中の生き物をテーマにした展示では、微生物も含めると地中には地上よりもずっと多くの多種多様な生物が住んでいることを解説。マツタケがなぜ松林に生えるのか、その秘密も解き明かしていました。
さらに土が岩石からできる様子をモノリス(土壌標本)で展示。土中の生き物の働きで、枯れ葉などが分解されて土中に養分が蓄えられ、植物がより多く生えるようになり、岩石が土に変化していくことから、生き物が大きな働きをしていることが説明されています。
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モノリスの前で解説をする学芸員の森さん(中央) |
さらに土にはすき間がたくさんある(団粒構造)ことで柔らかくなり、水や養分などが蓄えられて植物が生え、微生物などが暮らしていけること、だから土の地面に大雨が降ってもゆっくりと川へと流れ、洪水になりにくいことなどが説明され、参加者は土の大切さを実感していました。
また、実験を通じて土の仕組み、働きを知るワークショップなども行われ、実際に砂よりも土が水をためこんでいる様子や、土中の生物が呼吸している様子を実験で確認し、参加した子どももおとなも目を輝かせて見入っていました。
子どももおとなも
土壌学が専門でこの展示を企画した学芸員の森圭子さんは「国際土壌年ということもあり、土が重要な自然の一部だということを意識してもらえるように企画しました。」と話します。「農地などでもより元気の良い土というのは生き物が活発になっている土だと思います。おとな向けの難しい内容も含んでいましたが、子どももおとなも熱心に見てくれていました」と反応に手ごたえを持っていました。
各地で巡回展
同博物館では国際土壌年記念の巡回展を開催しています。6月27日〜7月11日は東京農工大学博物館(東京都小金井市中町1の24の16)で、7月18日〜8月25日は大昆虫展inスカイツリータウン(東京都墨田区押上1の1の2)で展示が行われます。さらには新潟県十日町市で行われている「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015」の中でも「Soil Museum もぐらの館」でも関連展示を行います。
(新聞「農民」2015.7.6付)
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