除草剤使わない
無農薬米づくり
茨城・県南筑波農産センター
こだわり続ける生産者たち
この間の低米価で「米づくりに元気が出ない」という声も聞かれるなか、いろいろな除草方法を研究し除草剤を使用しない無農薬米を栽培することで付加価値を付けた「こだわり米」をアピールする茨城県龍ケ崎市のみなさんを紹介します。
(1)水田カルチ除草・中山務さん
田植え機に設置する乗用タイプに改良しました。
苗の間の土をギザギザのローラーで撹拌(かくはん)することで雑草の繁殖を抑制することができます。
難点は気を抜いてよそ見をしていると、せっかく植えた苗ごと巻き込んでしまうことです。
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特注の「水田カルチ」で除草作業をする中山さん |
(2)チェーン除草・佐藤誠さん
2メートルほどの物干し竿に30センチほどのチェーンを無数にぶら下げたものを、自走式の溝切りバイクに乗って引きずります。田植え後、苗が根付いた10日後くらいから、1週間おきに5回ほど広い田んぼの中で使用することで雑草の発生を防ぎます。
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佐藤さんはチェーン除草で除草剤を使用せず米づくりに励んでいます |
(3)アイガモ除草・辰澤正寿さん
田んぼにアイガモを放し飼いすることで、害虫の駆除や除草などを行ってくれます。エサや害虫を食べたアイガモのふんが稲の肥料となります。ガーガー鳴く姿が地域で話題となって田んぼの近くの幼稚園ではお散歩コースにもなっているとか。アイガモのヒナを田んぼに放すときには子どもたちが集まりました。
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アイガモ入水式には子どもたちも集まりました。後方が辰澤さん |
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それぞれの除草方法も共通して、田んぼが濁ることで雑草の光合成を阻み、草の発生を抑制させると同時に、植えた苗の活着力を高める効果が期待されています。手間暇かけて栽培したお米を消費者のみなさんにしっかりと食べてもらい、「米つくって飯食える」米づくりを今年も目指していきます。
(茨城・県南筑波農産センター 山口徹)
(新聞「農民」2015.6.22付)
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