日本農業賞食の架け橋の部優秀賞
「人と農・自然をつなぐ会」が受賞
つなぐ会代表・藤枝市農民組合
組合長 杵塚敏明さん
手記
無農薬・有機栽培のお茶づくり
消費者の支えがあってこそ
第44回日本農業賞「食の架け橋の部」〈日本放送協会(NHK)、全国農業協同組合中央会(JA全中)、JA都道府県中央会主催〉で、私たち「人と農・自然をつなぐ会」が優秀賞を受賞しました。39年もの長きにわたって続けてまいりました無農薬・有機栽培によるお茶づくり、消費者のみなさまと続けてきた交流を高く評価していただき、大変栄誉ある賞をいただきました。
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受賞を喜ぶ杵塚敏明さん(左)と長女の歩さん |
交流会とともに歩む
このたびの農業賞は、私たちだけが受賞したのではないと思っています。「食の架け橋」とは、生産者と消費者との交流があってこそ成り立つものです。私たちの農業への思いをくみ、いつも商品を買い支えていただいている消費者の方々、毎年春の「お茶摘み交流会」をはじめとする各種交流会に参加いただいている方々とともに歩み続けてきた39年。長きにわたるご支援に心から感謝を申し上げると同時に、この喜びを消費者の方々や仲間と一緒に共有したいと思います。
若い力加わり大飛躍
39年の間に、海外に留学していた3人の子どもたちも帰国して就農しました。長女と長男は結婚し、それぞれのパートナーも就農しました。若い力が加わることで、活動の幅が飛躍的に広がっていきました。活動の一環として行ってきた田んぼでの米づくりは、田植え、草取りから稲刈りまですべて手作業。1反歩(10アール)ほどの田んぼに、若者を中心に子どもからおとなまでのべ150人ほどの人が入り、作業中は笑い声が響いています。
はじめて田んぼに入る人、何年も通って来ている人などさまざまですが、田んぼで作業しているときの目の輝きには、毎回感動します。田植えや稲刈りのほかにも、「お茶摘み交流会」、夏の「紅茶加工交流会」、冬の「味噌(みそ)作り交流会」と、1年を通して交流会は目白押しです。
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茶畑で杵塚さんファミリー |
海外からも年々増加
わが家を訪問してくれる人は、年間1500人にも達するようになりました。
また、海外からの来訪者も年々増加し、今では年間100人にのぼります。日本茶が好きなので茶畑を見てみたいという人、農作業体験をしたいと3カ月も滞在する人、実にさまざまな人たちがいろんな国からわが家を訪れてくれています。
これからも食と農業を通じての交流を大切にしつつ、安心・安全でおいしいお茶づくりに励んでいきます。今後ともご支援のほどよろしくお願いいたします。
(新聞「農民」2015.5.18付)
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