「農民」記事データベース20150518-1165-01

NPT(核不拡散条約)再検討会議

ニューヨーク行動に参加して

担当上級代表、再検討会議議長に
署名633万余手渡す
“核撤廃へ強い力に”と歓迎

関連/ネパール大地震救援募金のお願い

 5年に一度のNPT(核不拡散条約)再検討会議が4月27日から、ニューヨークの国連本部で開催されています。
 原水爆禁止日本協議会(日本原水協)はこれに合わせ、1058人の代表団を現地に派遣。世界各地から集まった核兵器廃絶を求める署名を届けるなど、行動を展開し核廃絶を訴えました。農民連を代表して私も参加してきました。
(農民連青年部事務局長 渡邊信嗣)


みなさんの声を集めて
私が生きているうちに
核兵器なくしてほしい

 26日には1万人がユニオンスクエアに集結。ダグ・ハマーショルド広場をめざして、ニューヨークをパレードしました。多彩なプラカードや横断幕、浴衣姿や着ぐるみなど思い思いの格好で踊りながら「核兵器はいらない」「戦争はいらない」と訴え、注目を集めました。

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被爆者を先頭にニューヨークを行進。多彩な横断幕やプラカードで沿道に訴えました

 ダグ・ハマーショルド広場では国連のアンゲラ・ケイン軍縮担当上級代表とアルジェリアのタウス・フェールキ大使(NPT再検討会議議長)に、世界中から集められた署名633万6205人分を手渡しました。

 受け取ったケイン上級代表は「みなさんの行動は決して重要性や意義を減ずることのないものです。再検討会議の代表がみなさんのメッセージを心に受け止め、核軍備撤廃の努力でみなさんと力を合わせることを望みます」と話し、フェールキ議長も「NPTの重要な柱である第6条の『核軍備撤廃に関する交渉を誠実に行う』という義務を、強力に再確認するものとしてこの署名を歓迎します」と発言しました。

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国連のケイン上級代表(左)らに署名の目録を手渡す日本原水協の高草木博代表理事(右から2人目)

 国連事務総長が感謝メッセージ

 27日のNPT再検討会議開会に当たっては、国連の潘(パン)基文(ギムン)事務総長からメッセージが寄せられ、各国からの署名に対して、「この会議の成功と核兵器の廃絶を呼びかける署名を受け取った。何年もの間、軍縮を擁護し過去も多くのことを行ってきた多くの人々と団体に感謝する」と述べられており、私たちの活動を大いに励ましました。

 同日には日本原水協代表団会議主催の国際シンポジウム「ともに核兵器のない世界へ新たな地平を開こう」が開催され、各国の核廃絶運動家が出席。セルジオ・ドゥアルテ元国連軍縮問題担当上級大使は「政府・国際組織・市民社会・個人が決意し、共同して目標実現のために努力すれば、核兵器のない世界の展望が開けます。核兵器廃絶は核兵器を使わせない唯一の現実的保障です」と発言し、核兵器廃絶は不可能ではないと訴えました。

ニューヨーク中心街をパレード

 被爆者体験話に大きな拍手わく

 27、28日にはそれぞれの分野ごとの交流会が開催され、私は青年交流集会に参加しました。

 寝屋川被爆者の会の松山五郎さん(85)が被爆体験を証言。原爆投下直後の様子を生々しく語りながら「まさに1日の違いで生死が分かれた」と語りました。また「核兵器は一国も、一発も残してはいけません。ゼロにしなければ意味がありません。できれば私が生きているうちに、核不拡散を超えて核兵器をなくしてほしい。そのためにみなさんの声を集めてほしい。そのためにみなさんの力を貸してほしいとお願いしたいです」と話し、大きな拍手がわき起こりました。

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代表団が持ち寄った署名600万人分以上が積み上げられました

 岩手県九戸村の岩手県農民連組合員、小井田寛周さん(28)もニューヨーク行動に参加。「被爆者の話を聞く機会がなかったので、来てよかったです。話を聞いて核兵器は、次世代やその次の代にまで影響があり、決して人類と共存できないと実感しました」と感想を話していました。


ネパール大地震救援募金のお願い
 4月末にネパール中部で起きたマグニチュード7・8の大地震で死者数7000人を超え、負傷者数も1万5000人を超えました。ネパール内務省の発表によると、全半壊した建物は約54万戸に達しました。屋外で避難生活を送る人々の数は人口の1割近い280万人に上っています。

 農民連が加盟する国際農民組織「ビア・カンペシーナ」は5月1日、声明を出し、犠牲となった人々に哀悼の意を表するとともに、救援・復興活動への支援を呼び掛けました。

 ネパールでは、同国内の4つのビア・カンペシーナ加盟組織のうち、「全ネパール農民連盟」(ANPFa)が窓口となり国際支援を受け付けています。ANPFaとは、2007年にネパールで開かれた食糧主権フォーラムに農民連代表が参加するなど、交流を重ねてきました。

 現地からの通信によると、「農民、農村生活者、都市の貧困者らは、太陽の光も雨露も防ぐものを持っていません」と日ごとに悪化する状況を伝え、余震の揺れが続く中、目前の雨期を前に屋外避難生活者に必要な物資を届けるために全力を挙げているといいます。

 農民連は、ネパール大地震の被災者救援のため、募金への協力を訴えます。

 振込先口座
 ゆうちょ銀行 総合口座 記号10030 番号61671711
 (他の金融機関から振り込む場合は、ゆうちょ銀行 店名008 普通6167171)
 口座名義 農民連災害対策本部

(新聞「農民」2015.5.18付)
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2015年5月

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