「農民」記事データベース20150504-1164-05

農民連会員の議員 各地で誕生

町を安倍悪政の防波堤に

TPP・農協「改革」・国保税・原発…
要求実現へ、たたかいの先頭に

 4月26日投開票の市区町村議選挙で、農民連会員の市区町村議員が各地で誕生しました。安倍暴走政治からの防波堤の役割を果たし、TPP、農協「改革」など、新たなたたかいの先頭にたつとともに、住民の声を取り上げ、要求実現のための大きな力になることが期待されます。2人の農民連会員の町議を紹介します。


ホタテ被害・国保税・原発…

町民と一緒に解決向け尽力

青森・横浜町 沖津正博さん=県農民連理事=

 青森県横浜町は今、加工バレイショの種いも切りや、植えつけで忙しい毎日です。人口約4800人で過疎化が急速に進む半農半漁の小さな町です。

 町議選挙(定数10)は前回無投票だったため、8年ぶりの選挙となり、12人が立候補しました。私は、トップ当選を果たし、得票率も15・9%を獲得しました。

 初めて稲作支援実現させて…

 ナタネの作付けが日本一なのにもかかわらず、今年度から認定農家でないと国から補助金がもらえず、作付けが心配されています。私は、認定農家の条件緩和や農家支援を訴えてきました。その結果、町では独自にすべての農家にナタネ作付け支援(50キロあたり1000円)を決めました。

 昨年の米価暴落対策では、ペットボトルの半値にしかならない米価に支援を求め、乾燥代への1俵500円までの補助や種もみ半額助成などで初めて町独自の稲作支援が実現しました。新年度も種もみ助成が継続となっています。

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農漁業支援を訴える沖津町議

 ホタテ漁業者の悲鳴を届ける

 3月には荒波と強い潮によってホタテの養殖施設に大きな被害が発生しました。漁業者は、「これから売るホタテがない。夜も眠れない」「8トン取れる予定が700キログラムしか取れず、数百万円の損害だ。これからかかる資材の支払いが大変だ」と悲鳴をあげています。対策を求めて町に申し入れも行いました。

 横浜町の国保税は、上北郡内で最も高く、県の試算でも1世帯あたり42万円で断トツです。他町村も行っている一般会計からの繰り入れをし、町民負担を引き下げるよう求めてきました。引き続き、国保税の引き下げのためにがんばります。

 再稼働の延期を町も要求せよ

 東北電力東通原発は、来年3月の稼働をめざしています。新設のフィルター付きベント装置は、過酷な事故が起きたとき、爆発を防ぐために放射能を外に放出することになります。

 県が示した避難計画は、横浜町は国道279号、縦貫道をできるだけ使用しないで弘前市に避難させる方針ですが、いまだに予算措置さえはっきりしません。「町も原発立地村なみの安全協定や再稼働の延期を求めるべきだ」と要求したのに対し、野坂充町長は「県、事業者と協議したい」と答えました。

 選挙中も、たくさんの要望が寄せられました。町民の困りごとを一緒に聞き歩き、住民の苦難の解決に心から尽力していきたいと思います。


農業後継者・低米価・介護保険料…

元気になる政策実現へ全力

千葉・横芝光町 山崎義貞さん=光農民組合会員=

 安倍暴走政治に真正面から対決し、町民の命とくらしを守るかけがえのない議席が誕生――。千葉県農民連の光農民組合に所属する山崎義貞さん(59)=横芝光町=は、町議会議員選挙(定数16)で、激戦を勝ち抜いて、宝の議席を新たに獲得しました。

 得票率5・8%で第5位でした。

 農業の所得が上がらず活性化も

 1980年から養豚業を営んできた山崎さん。ホールクロップサイレージ(稲発酵粗飼料)や飼料用米などの取り組みが比較的早かった町ですが、いまの低米価で農家の所得が上がらず、このままでは町の活気もなくなっていくと心配します。

 農家からは「田んぼの引き受け手がいない。機械が壊れたら米づくりをやめるしかない」という声を聞いたり、町の農業は多くが小規模のため、「TPPになったら、やっていけるのだろうか」という不安が寄せられたりと、一刻も早い町独自の手立てが必要です。

 「町に農家が展望をもてるような政策をとってもらわないと」と強く考えていた矢先、町議選への立候補の要請があり、幸い次男が養豚を継ぐことが決まり、立候補を決意しました。

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竹内さん(右)と町政を語り合う山崎さん

 国保税下げの呼びかけ町中に

 告示日(4月21日)の出陣式には、70人以上が集まり、熱気に包まれました。山崎さんは選挙中、「町が悪政の防波堤となって、お年寄りから子どもまで、安心・安全・元気な横芝光町に」を前面に、町内全世帯の約半数が加入している国民健康保険税(国保税)の引き下げを主張。町の一般会計から国保会計への年間5000万円の繰り入れで1世帯あたり1万円の引き下げが可能だと訴えました。

 また、介護保険料の値上がりが町民に過重な負担を強いていることを直視し、保険料・利用料の町独自の減免制度をつくることを提案しました。

 さらに、町民の足となっている乗り合いタクシーと循環バスを利用者の声を尊重しながら、より便利で使いやすいものに充実させることを呼びかけました。

 町の産業である農業の分野では、学校給食の地元産食材使用の促進や、地産地消食育宣言の促進、農業後継者支援制度の創設を力説しました。

 地元農協と同じ意気投合して

 農協「改革」で農協つぶしが進めば地域が衰退してしまいます。ガソリンスタンドが減り続けていくなかで農協独自のガソリンスタンドはとても喜ばれています。

 山崎さんは「TPP交渉からの撤退と、農業・農協『改革』の中止」を訴えました。一方、県農民連が地元の山武農協と懇談した際には、低米価やTPP、農協改革の問題などで「みなさんと現状認識は一緒」と意気投合しました。

 米を3ヘクタール以上つくる竹内壮文さん(房総食料センター理事長)は、「町が一体感をもち、元気になる施策をしてほしい。町の特産品づくりにも力を入れてほしい」と活躍に期待を寄せています。

(新聞「農民」2015.5.4付)
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2015年5月

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