賠償打ち切り撤回せよ
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「原発なくせ」と東電に向かってコールする参加者。左は紙議員 |
原発をなくす全国連絡会からは全労連常任幹事の盛本達也さんがあいさつ。「安倍政権は原発を重要なベースロード電源と位置付けているが、新規制基準のもとでの再稼働は、福井地裁によって断罪されている。国民の意思は今も原発ゼロだ。安倍政権の暴走ストップの運動を広げよう」と訴えました。
参加者からの怒りのスピーチでは2人が発言。福島県北農民連の村上雄一さん(福島市)は「会社を退職し、農業で生きていくために桃の苗木を植えるなど規模拡大の準備のさなかに原発事故が起きた。これこそ想定外というのだ。収量はふえたのに収入だけはいまだに減ったままだ。全額賠償させるまで一緒にたたかいましょう」とスピーチしました。
安達地方農民連の鴫原孫一さん(二本松市)は「キュウリを作っているが1箱3000円だった価格が原発事故以降800円にまで落ちた。これでは食べていけない。放射線被害で子どもも外で遊ぶこともできず、人もどんどん減ってきている。これは東電の責任だ。東電は償わなければいけない。私たちは決してあきらめない。東電があきらめるまでがんばろう」と訴えました。
参加者は東電本社に向かって「原発の再稼働反対」「賠償打ち切りは許さないぞ」「きれいな農地を返せ」とシュプレヒコールを行いました。
冒頭、日本共産党の畠山和也、斉藤和子の両衆院議員が激励と連帯のあいさつをしました。
米の全袋検査について、農水省は「地域的に放射線量にばらつきがあることから、2015年度は継続する」と述べました。
稲の刈り入れ時、バインダーでは、穂先に汚染土が付着する可能性があることから、11年は県から口頭で出され、12年は国から「コンバイン刈り」の指示文書が出されました。
この作業委託費の賠償をめぐって、東電は、12年度分は賠償しましたが、11年度分については「農水省から指示文書がでていない」との理由で賠償の対象外としています。
参加者は、「普及センターの指示と農水省の指示のどこが違う」、「わずかな自家飯米の生産だからバインダー刈りだったが、指示に従ってコンバインを頼んで刈ってもらった」など、安全な米を生産したいと願う農民の思いを理解させようと懸命に訴えましたが、農水省からは、「安全性のためではなく、全袋検査を円滑にするために指示した」などと述べ、納得できる回答はありませんでした。
農民の健康被害を防ぐため、汚染された農地一筆ごとの検査を求めたことに対して、農水省は「農家の健康被害の調査の方が先だ」と回答。参加者は、「汚染をそのままにしておけばいっそう健康被害が進む」「毎時2・5マイクロシーベルト以上の場所で勤務する労働者には検査が義務付けられているのに、なぜ農民には適用しないのか」と追及。農水省は「農民は個人経営者だ。経営者に検査義務はない」と従来の回答を繰り返しました。
まとめの集会で、高橋千鶴子衆院議員は、高浜原発の差し止め仮処分決定にふれ、「原発再稼働を認めないことと賠償のたたかいは表裏一体。引き続きがんばりましょう」と激励しました。
最後に、福島県農民連の根本敬会長が「今後も、一人ひとり個別の事案でもみんなでたたかい実現していく。今日の交渉を周りの農家に話し、仲間を増やし、たたかいを継続しよう」と呼びかけました。
[2015年5月]
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