TPP
重大局面の情勢に
日米閣僚会議で政治決着か
TPA法案、米議会に提出
安倍首相の訪米と4月28日の日米首脳会談を前に、事態は重大局面を迎えています。
16日、アメリカの上下両院に大統領貿易促進権限(TPA)法案が提出され、15〜17日の日米実務者協議での交渉の「進展」を受けて、急きょ、米通商代表部(USTR)のフロマン代表が来日。19、20日に甘利明TPP担当相と閣僚協議が半年ぶりに開催されました。
日米実務者協議で、日本側が牛肉の関税を10年余りかけて38・5%から10%前後まで引き下げる、豚肉の関税1キロあたり最大482円から50円前後まで引き下げることや、緊急輸入制限(セーフガード)についても「大枠合意」したと報道されています。
また、米国産米の「特別輸入枠」を設定することが固まっており、日本側の5万トンの想定に対して、米国側は主食米・加工用米をあわせて21・5万トンを要求しており、閣僚協議で政治決着する可能性があります。
いずれも米や牛・豚肉などを重要品目として「除外又は再協議」を求めた国会決議に違反していることは明白。重大な譲歩提案はただちに撤回すべきです。
米議会に出されたTPA法案には交渉参加国にとって受け入れがたい「為替条項」に加え、仮に交渉が妥結しても事実上、議会が修正を求める権限が盛り込まれており、法案成立は依然不透明です。
日米両国は、閣僚協議で難航する日米協議にメドをつけ、28日の首脳会談で成果を確認。23〜26日にアメリカで予定されているTPP交渉参加12カ国の首席交渉官会合で大枠合意させるシナリオです。
重要品目の大幅譲歩を許さず、国会決議の順守、TPP交渉からの撤退を求めるたたかいが求められています。
(新聞「農民」2015.4.27付)
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