「農民」記事データベース20150420-1162-09

この人

調理師を経験、昨年8月就農
阿保(あぼ) ちひろさん(27)
=北海道本別町=


納得できる最高の仕事したい

 北海道本別町で、小麦、じゃがいも、ビートのほか、豆類だけでも4種類つくっています。ホテルや施設で調理師を経験し、昨年8月から就農しました。

 はじめは「農業を継ぐつもりはなかった」ものの、自らアトピー性皮膚炎をもち、「衛生的な仕事を」と選んだ農業。TPPなどで、農業が岐路に立たされるなか、「自分でなんとか現状を変えよう」と思い立ったのも就農のきっかけでした。

 作物の成長をみて、四季に触れ、北海道の雄大な景色を眺めながら農業に取り組むことに幸せを感じています。

 牛ふん堆肥を使っていますが、今までは、牛舎からそのまま出した状態で畑にすき込むやり方でした。しかし、「腸内細菌が生きている間にすき込んでしまうと作物の抵抗力が弱まり、食中毒の原因にもなる。発酵させて細菌を死滅させ、完熟させた方が肥料として効果的」と、自分のやり方を追求しています。

 「まだ見習い」と謙そんしつつも、両親から農法を学び、ときには、「自分のやりたいこととの板ばさみ」になりながらも、「自分がつくったものを食べてもらうことに責任の重さを痛感しますが、自分が納得できる最高の仕事をしたい」と挑み続けています。

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トラクターに乗ってもうすぐ土おこしが始ります

 2月に都内で開かれた農民連青年部総会での「農力チェック」で、国産の原材料でつくられた農産物・加工品と、市販のものとの食べ比べを体験。調理師の経験も生かして、「大量に生産され、安い食べものにはからくりがあり、安全上も不安があることを伝えながら、消費者の意識を変え、地元の農産物のアピールをしていきたい」と意気込みます。

 十勝地方も平地はほぼ雪が解けました。ビートの種まきが終わり、苗の管理に忙しい毎日です。これから種いもの仕込みも始まり、農作業はいよいよ春本番です。

(新聞「農民」2015.4.20付)
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2015年4月

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