地方から広がる安倍政権ノー
安倍政権がTPP交渉妥結に向けて暴走するなか、全国で、「TPP交渉を急ぐな」「国会決議を守れ」と集会や行動が行われています。TPPや農協「改革」がいっせい地方選挙の争点になり、「安倍政権ノー」の声が日に日に大きくなっています。
TPP
北海道から日本変えるノロシを
札幌市で緊急集会
地域と道民の暮らし守ろう
3月22日に札幌市で開催された「TPPから命と暮らしを守ろう! 北海道緊急集会」は、会場いっぱいの1500人の参加者で大きく成功しました。
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北海道緊急大集会で「TPPにノー!」=3月22日、札幌市 |
主催者あいさつでJA北海道中央会の飛田稔章会長は「日本政府は農産物で大幅な譲歩が報道されている。しかし、TPPは医療や医薬品などの知的所有権、ISD(投資家対国家紛争)条項などの国民の命と暮らし全体に関わるもので、子どもたちの未来のために最善の道を残しておくことが大事だ」と訴えました。
道消費者協会、道医師会の代表が連帯あいさつを行い、外交評論家の孫崎享(うける)氏が基調講演を行いました。孫崎氏は「TPPで日本の主権がなくなる可能性がある。今集会を北海道から日本を変える出発点にしていきたい。TPPは北海道だけの問題ではなく、オールジャパンの問題だ。農業関係団体は国民全体のために取り組んでおり、これからもぜひがんばっていただきたい。もっと中身を知らせて国民運動にしていこう」と述べました。
パネルディスカッションでは、ISDの主権侵害や秘密交渉の重大性などが議論されました。
最後に、「北海道の産業と北海道民の暮らしを守ること」を求める集会決議が提案され、参加者全員がプラカードを掲げて採択されました。
北海道では4月12日投開票で知事選が行われます。集会にメッセージを寄せた現職の高橋はるみ知事は「TPPにはしっかり対応していく」というものの、どのようなスタンスなのかは明らかにしませんでした。
これに対して、フリーキャスターの佐藤のりゆき知事候補は「TPPには反対、北海道の経済は農業が根幹だ」と政策を鮮明にしており、農協「改革」にも反対しています。
道議選・十勝区から山川道農民連委員長立つ
“旋風起こして” 期待高まる
知事選と並行して道議選も4月12日投開票でたたかわれています。十勝地域選挙区(定数4)には、北海道農民連の山川秀正委員長(62)が立候補し、「十勝地域から安倍暴走政治ストップの大きな流れを」と終日、駆け巡っています。
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住民の期待に応えて奮闘する山川候補(左) |
山川さんは、音更町でナタネ、ブロッコリーなどを栽培しています。町議会議員も務めました。
3月14日に行われた事務所開きには約150人が詰めかけ、マスコミ各社も取材に訪れました。
音更町の寺山憲二町長からメッセージが寄せられ、小野信次町議会議長も激励にかけつけるなど、党派を超えて期待が広がっています。
決意表明をした、農業・農民運動ひとすじの山川さんは「TPPへの参加で農業だけでなく医療などくらしが打撃を受け、地域経済と町の存亡を危うくする。農協『改革』は、アメリカと日本の財界に農業を売り渡すものだ」と厳しく批判。「十勝の声、農民の思いを道議会に届け、農業・地域を守るために、ぜひ道議会に送ってください」と熱く訴えました。
道農民連執行委勝利へ全力確認
北海道農民連常任執行委員会は、佐藤のりゆき知事の実現に全力をあげ、道議選で山川候補の勝利に協力することを確認しました。
会議では、「士幌町の農協や役場、主な事業所を訪問し、佐藤知事候補と山川さんの支援を訴えたところ『佐藤さんを支持する』との反応がびんびん返って来る、そしてTPP反対ののろしを上げた十勝から、山川さんをぜひ道議会に送り出してほしいと訴えると『3回も選挙がなかった十勝地域選挙区に旋風を起こしてくれた。ぜひがんばって』と答えてくれる」と報告がありました。
さらに知事選は、道民にもわかりやすく、「お飾りの知事には引っ込んでもらおう」などの声が広がっていることが紹介されました。
(北海道農民連 野呂光夫)
(新聞「農民」2015.4.6付)
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