この人
長野県南箕輪村で両親とともに農業
白鳥(しろとり)友季子さん(33)
幸せ届け人と人をつなぐ喜び
就農して10年。東に南アルプス、西に中央アルプス、眼下には天竜川を望む、自然豊かな長野県上伊那郡南箕輪村で両親とともに四季を感じながら、リンゴ、ブルーベリーを栽培し、コシヒカリと古代品種の白毛餅米もつくっています。
「天地の恵みに、私たちの手間と思いを込めたものが誰かの口に入り、その人の体の一部となり、その人を動かすエネルギーになる…。自分がつくったものをおいしいと喜んでくれる。うれしいし、農業をやってよかったと感じる瞬間です」と就農の喜びを表現します。
「私たちがつくったお米やリンゴ、ブルーベリーが届けられた先では、食卓を囲んで笑顔が広がっていってほしい。ささやかですが、幸せを届け、人と人をつなぐのが農業だと思います」
大学卒業直後は、家に戻り、親と一緒に仕事をすることに葛藤(かっとう)があり、就職活動もしました。
しかし、両親が農業に携わり、地域や若者との交流に積極的に取り組んでいる姿をみて、「もの作りはやり方次第。いろんな可能性がある」と就農を決意しました。
家族3人で営む大和屋農園では、保育園や子育てサークルの収穫体験、小学生の体験学習、中学生の職場体験、大学生の学外実習などにも取り組んでいます。
「決まった休みがとれず、なかなかお出掛けできない」ことに不満を感じることもありますが、ブルーベリー狩り、リンゴ狩りや、外国からの研修旅行の民泊受け入れなど、幅広く様々な人たちに農園を訪れてもらうことで、楽しみながら、「地元や農業のもつすばらしさを再発見したり、共有したり…多くの人と関わりながら、成長し命を輝かせていきたい」と意気込みます。
2月に開かれた農民連青年部の総会に参加しました。「長野県内でも青年農家を集めて、まず一歩を踏み出せれば」と刺激も受けています。
(新聞「農民」2015.3.30付)
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