大豆畑トラスト全国交流会開く
GM食品に頼らない食生活を
しょう油づくり消費者と楽しく
消費者の声聞きながら生産はいい
第17回大豆畑トラスト運動全国交流会が2月26日、都内で開かれ、生産者、消費者、みそ・しょう油業者の人たちが参加しました。今年のテーマは、「広がる大豆の世界〜醤油(しょうゆ)をもっと知ろう」でした。主催は、「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」。
お昼は、恒例の大豆トラスト生産地の米や大豆、しょう油、みそを使った料理で交流会。大豆パン、黒豆寒天、豆乳スムージー、豆乳のココアムースなど秀明自然農法ネットワークのみなさんによるおいしい料理に舌鼓を打ちながら、味わいました。
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大豆料理がズラリ |
活発化しているGM稲の開発
食事後は交流会。ルナ・オーガニック・インスティテュートの安田美絵さんが「世界を変えるチャンスは毎日3回も!」のテーマで報告。「日本では、遺伝子組み換えの表示義務のない食品がたくさんあふれており、多くの日本人がそうとは知らずにGM食品を食べています」と述べ、「世の中を変えるには、まず私たちが、それに頼らない食生活をすることが大事です」と呼びかけました。
さらに、畜産物、油、小麦の多用で食生活が欧米化している現状を語り、「日本の伝統的な食生活を取り戻し、食料自給率の向上、食料不足の解決に貢献しましょう」と訴えました。
キャンペーンの天笠啓祐代表が、遺伝子組み換え食品の現状を報告。世界的にGM作物の栽培面積は増えてはいるものの、作付け国は増えず、食用油や油製品が中心で、性質も除草剤耐性と殺虫性だけしか実用化されていない現実を紹介しました。
一方で、日本ではアベノミクスにより、スギ花粉症治療稲や複合病害抵抗性稲などGM稲の開発が活発化していることに注意を喚起しました。
しょう油業者も製造方法を紹介
しょう油関連のことでは、ヤマキ醸造(埼玉県神川町)の新妻則雄さんが、農薬・化学肥料・除草剤を使わず、自然の恵みを生かした製造方法を紹介。「あわ手作り醤油の会」(千葉県鴨川市)の今西徳之さんも、消費者とともに楽しんで行うしょう油づくりの取り組みを報告しました。
山形県の新庄大豆畑トラストの高橋保廣さんは、大豆畑トラスト運動の発足当時から関わってきた経緯を語り、「消費者の意見を聞きながら生産できるのは百姓みょうりにつきる。それがトラスト運動のありがたいところ」と期待を語りました。
生産現場の空気伝えていきたい
産地からの報告では、福井県越前市のマルカワみそ株式会社の代表取締役、河崎宏さんが、「大豆畑トラストは5年目、6作目に入りました。もののやり取りだけでなく、生産現場の雰囲気を伝えていきたい」と語り、みそをはじめ、納豆やきな粉などの加工にも取り組んでいることを報告しました。
茨城県取手市の県南筑波農産センターの平川智之さんは、8月に日本モンサントのほ場見学、10月に枝豆交流会、1月に豆腐づくり体験会などを消費者とともに取り組んでいることを紹介し、「日本の農業を守るために引き続き、トラスト運動を守り、広げていきたい」と決意を述べました。
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報告する平川さん |
(新聞「農民」2015.3.16付)
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