「農民」記事データベース20150316-1157-08

この人

広島県農民連副委員長 木戸菊雄さん(56)
=世羅町在住=


農業やれば地域に貢献できる

 「米価下落で経営も大変じゃけえ、でも地域のためにがんばらねば」

 広島県世羅町の木戸菊雄さん(広島県農民連副委員長)は、標高400メートル前後の台地に点在する田畑で営農しています。

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木灰をとるために畑を覆う枯れ木を燃やす木戸さん

 30歳に再就農してから26年。米のほかに麦、大豆、そばなど転作作物を交付金を活用しながらつくってきました。認定農業者として、高齢者の田畑を引き受けながら、3ヘクタールの委託分を加えて今では26ヘクタールを耕作します。

 「若いころは農業は専業でなければだめだと思ってきた。じゃけど、この年になって、兼業だったり、年金をもらいながら農業をがんばっている人が、地域力を維持していることを実感する。丸くなったんかのう」と笑います。

 コスト削減で、自分で作業場を改造したり、乾燥機を組み立てたりしています。

 「これから農業を始めようという人に何かアドバイスは」との問いに、「自由時間とお金はないかもしれないが、まちではできない生活ができる」。

 さらに続けて、「農業をやればやるほど地域に貢献できる。地域の行事に参加することでも」と、今では地域の中心的役割を担っている木戸さんならではの言葉です。

 今後は「地域で一国一城の経営を残しながらの『集団化』をめざす。つまり、各戸の条件に応じた農業をやっていきたい」と地域の将来を見据えます。

 新日本婦人の会の米産直は3年目に入り、昨年からはみそづくりにも協力しています。「春になったらほ場外になかなか出られん」ほど忙しいシーズンに入ります。

(新聞「農民」2015.3.16付)
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2015年3月

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