「農民」記事データベース20150309-1156-02

西川農水相辞任

安倍政権の根深い
堕落・腐敗ぶり

関連/『税金の手びき』使って指導者のための学習会


TPP交渉撤退・「農政改革」阻止
安倍内閣退陣へ全力を

 西川公也農水相が2月23日、相次ぐ政治献金疑惑問題で辞任しました。後任には、林芳正前農水相が就任しました。

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西川農水相辞任を報道するニュース(日本テレビ系)

 西川氏をめぐっては、親族企業への政治資金の還流疑惑や、自身が代表を務める「自民党栃木県第2選挙区支部」が、国の補助金交付が決まっていた木材加工会社(同県鹿沼市)から総額12億3100万円の献金を受け取っていたことが日本共産党の斉藤和子衆院議員の調べで判明。政府からの補助金交付決定を受けた会社が1年間、献金することや、政治家や政党が献金を受けることを禁止している政治資金規正法違反が疑われていました。

 その後、顧問にも就任し、報酬を受けていたこともわかりました。

 また、砂糖の業界団体「精糖工業会」の関連企業「精糖工業会館」からの献金を受け取っていたことも判明。砂糖はTPP交渉で、関税撤廃の例外とするよう日本が求める重要5品目の一つで、業界も保護を求めており、献金時に自民党のTPP対策委員長だった西川氏が、利害関係のある業界からの献金への疑念が指摘されていました。

 自民党の農林族であった西川氏は、党TPP対策委員長を歴任するなど、かつてはTPP反対の急先鋒と言われたものの、農水大臣への就任を機にTPP推進に転換。「大臣の椅子ほしさの宗旨替えではないか」とやゆされてきた人物でした。

 西川氏は辞任の理由を「国会審議への影響を避ける」ためだとし、記者団に対し「私がいくら説明しても、わからない人はわからない」と居直りました。

 一方で、こういう疑惑にまみれた西川氏を登用した安倍首相の責任も重大です。安倍首相は、「(西川氏の)任命責任は私にある」と述べながらも、「(西川氏は)TPP交渉、農協改革、農政改革に大いに力を発揮してくれた。ぜひとどまって職をまっとうしてほしいとお願いをした」と最後までかばいだてしました。

 今回の辞任で疑惑にふたをすることは許されません。自民党・安倍政権の「政治とカネ」問題の根深さと、堕落・腐敗ぶりを改めて示したものです。

 さらに、安倍首相が後任に林前農水相をあてたことについて、「(林氏は)前内閣でTPP交渉に当たってきた。農協改革は(自民)党で西川さんと一体的にやってきた。政策の現状に精通しており、まったく遅滞はない」と述べ、TPP、農協「改革」を断行する姿勢を示したことも重大です。

 TPP交渉からの撤退、農業・農協つぶしをストップし、安倍内閣を退陣に追い込むことが求められます。


『税金の手びき』使って
指導者のための学習会

岩手・西根農民組合

 岩手県の西根農民組合は2月21日、八幡平市の大更コミュニティセンターで「税金学習会」を開き、10人が参加しました。これは、班ごとの税金学習会に向けた指導者のための学習会です。

 はじめに吉田勘次郎組合長が「今年も税金活動のなかで仲間を増やしましょう」とあいさつしました。

 高橋悦郎市議(日本共産党)が講師になって勉強会が進められ、農民連の『税金の手びき』を使いながら、「雑収入の補償金を漏らさないよう注意してください」と強調。「申告書が国保や介護保険の基礎になるから必ず申告しましょう」と呼びかけました。

 参加者からは、「肉牛を免税にした場合、その経費はどうすればいいのか」「減価償却費の計算の仕方は」「要介護の人が障害者控除を受けるには」などの質問が出されました。

 そのほか、米の減反、飼料用米、TPP、農協つぶしなどの話題も出て、活発な議論になりました。

(岩手・西根農民組合 鈴木實)

(新聞「農民」2015.3.9付)
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2015年3月

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