農民連青年部
自然豊かな地域を
守る人の手助けに
超豪雪地 新潟・十日町市へ
農民連青年部は2月14、15の両日、「新潟・松之山 超豪雪雪かきボランティアツアー」を開催しました。
雪かきボランティアツアー
腰の高さにある電線の向こうに
開催地の新潟県十日町市は世界でも有数の豪雪地帯です。積雪が4メートルを超え、住宅が2階まで雪に埋もれる状況で、家を掘り出すため雪かきではなく「雪掘り」と言われています。今年は特に積雪が多く12、 14日には県災害対策条例が適用となりました。そうした状況の中、福島、千葉、東京、長野の各都県から参加した参加者9人は、雪掘りに挑みました。
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慣れない「雪掘り」に奮闘中(見えているのは民家の2階部分) |
十日町市松代の桐山地区にある現場に着くと4メートル近い雪の壁があり家は見えません。雪壁をよじ登ると、腰の高さにある電線の向こうに、2階の屋根近くまで雪に埋もれた家がありました。1週間前に雪を下ろしたはずの屋根にはすでに1メートル30センチほどの雪が積もっています。屋根の雪を下ろし、その雪を取り除いて、2階の窓などが壊れないようにするのが任務になりました。
今年開催される「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」(3年に一度開催)を運営しているNPO法人越後妻有里山協働機構の山賀一さん(62)と岡村一成さん(35)、渡邊泰成さん(33)の3人と、新潟県農民連青年部の相澤堅さんに指導してもらいながら作業を開始しました。屋根から下ろした雪は1晩経つと凍って固くなってしまいます。スノーダンプの扱いに悪戦苦闘しながらも、全員が懸命に作業し、暗くなる前に終わらせることができました。
豪雪地帯の生活を体感
人々の力強さに感動
鍋を囲んで交流農協解体が話題
雪掘りで冷えた体を芝峠温泉で温め、宿泊先の古民家に移動。みんなで作った鍋を囲んで交流会です。農協解体の問題まで話題に飛び出すなど、大いに語り合いました。
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雪に埋もれた古民家で鍋を囲んで語り合いました |
千葉市から参加した小幡明梨さんは「新潟には父の実家がありますが、今年はこんなに降っているとは思いませんでした。ここは自然と人間が近いところにいますね。棚田などの美しい場所が、人が住んでいることで守られているし、ここに住むという選択をしてくれたことがありがたい」と、自然豊かな地域を守ろうとする人の姿に感動していました。雪掘りの作業自体は「2時間だけだったせいか、とても楽しかったです。来年も参加したい」と話していました。
長野県南箕輪村の農家、白鳥友季子さんも参加。「地元は雪が降っても50センチくらいで、まず雪の多さに驚きました。雪掘りは楽しかったですが、日常となると厳しいです。豪雪地帯で力強く暮らしている人たちの暮らしの一部を垣間見ることができ、来たかいがありました。次回はもっと戦力になることができると思うので、また参加したいです」と感想を述べ、農家にとっても意義のある企画となりました。
地域と農業守る活動を次世代に
青年部は、今後も体験を中心に据えた企画を通じて、地域と農業を守るための取り組みを、若い世代に伝えていきます。
(新聞「農民」2015.3.2付)
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