第21回大会の発言から
福島県農民連 菊地穂奈美
世界は鮮やかでおもしろい
農民連の生き方かっこいい
私は東日本大震災のときは、まだ大学生でした。就職活動ではIT系企業の内定もいくつかもらいましたが、それを全部ことわって、福島に帰りました。「いま福島に帰らなかったら、もう一生帰らないかもしれない」と思ったのかもしれません。
でも「じゃあ、何がやりたいのか?」と聞かれても、自分でもわかりませんでした。実家は花農家ですがあまり手伝うこともせず、紆余曲折あって、農民連で働くことになりました。
そういうわけで、「ここで何がしたいのか?」は、正直まだわかりません。でも、政府・東電交渉はじめ、あらゆる行事に参加させられ(会場爆笑)、農民連が少しずつわかってきたような気がします。わからなくても会員さんとお茶を飲んで話すのは楽しく、朝早くから野菜の収穫を手伝ったり、田植えをしたり、猫をいじったり、牛小屋で牛臭くなったり、「毎日、おもしろすぎるだろ!」と思います。
農民連で働くということはまだよくわかりませんが、ここにいるのは楽しくて、「世界は鮮やかなんだな」と思います。東京で働いて福島を忘れていくよりも、税金のしくみも知らず、政治に興味ももたずに生きていくよりも、ずっと鮮やかで、おもしろいです。
最初は自分から積極的に歩き出した道ではないかもしれないけど、自分から何かできるようになりたいと思っています。農民連は、そう思わされる場所です。これからも皆さんに助けられつつ、がんばりたいので、よろしくお願いします。
農民連は私と同い年です。たぶん、ここからがいいところです。こんな感じで、確実にわかってきたのは、「農民連という生き方は、かっこいい」ということです。
(新聞「農民」2015.3.2付)
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