「農民」記事データベース20150302-1155-12

演劇

東京芸術座・アトリエ企画公演
「神隠し八十八ものがたり」
作・演出=岡安伸治


村人全員が神隠しに遭う
まか不思議な八十八伝説

画像  「馬喰八十八」(ばくろうやそはち)は伝承作家・佐々木喜善が書いた「聴耳草紙」の中に収められています。

 「貧しい馬商人(馬喰)八十八は一頭のやせ馬っこを飼っているが、明日の馬市に村の長者の立派な馬四十八頭を引いてみたいと思っている。『この馬は長者の持ち馬だと振れ回るなら貸しても良い』と言う事となる。が八十八はその約束を破り自分の馬っこだと振れまわる。その事が長者に知れ、怒りを買うことになり八十八のやせ馬っこは長者にたたき殺される羽目となる。そのあと八十八は……」

 この話が事実に基づいているものなのかは現代のわれわれには定かではありませんが、しかし時は流れ伝承されるうちにわい曲はされてはいるでしょう。

画像
東京芸術座のけい古風景

 今回、台本・演出の岡安伸治さんもそこをひとひねりもふたひねりもしています。時は天明、大飢饉の東北地方のとある村で長者の大奥様が神隠しに遭ったといいます。そこへ役人が来て事情聴取を始めました。村人は口裏をあわせ、実在しない「八十八」なる人物をでっち上げ村人たち自身がその再現ドラマを演じ始めます。

 しかし、かれら村人の願いむなしく……かれらも神隠しとなります。

歌あり、踊りありの楽しい芝居

 佐々木喜善は生まれ育った陸中遠野の民話、伝承、口承文学などを柳田國男(民俗学者)に語り伝え、柳田の代表作「遠野物語」が生まれます。柳田は後に喜善の語りはなまりが強くて聴き取るのに苦労をしたと語っています。

 歌あり、踊りありの楽しい芝居です。

(東京芸術座 林邦明)

 〈場所・日時〉
 ●東京芸術座アトリエ(西武新宿線上井草駅下車徒歩7分)
 ▼3月27日(開演午後2時)、28日(開演2時・7時)、29日(開演2時)、30日(開演2時)、4月4日(開演2時・7時)、5日(開演2時)、5日(開演2時)、6日(開演2時)
 ●野方区民ホール(西武新宿線野方駅徒歩5分)
 ▼4月1日(開演7時)、2日(開演2時)
 ●入場料(全自由席)
 一般4000円、大学・専門学生3000円、高校生以下2500円、しょうがい者3000円
 ※農民連の会員は、定価4000円のところ3500円となります。
 ●問い合わせ先
 東京芸術座 TEL 03(3997)4341、ファクス 03(3904)0151、Eメール tg@tg-za.com

(新聞「農民」2015.3.2付)
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2015年3月

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