旬の味
〓※1秋田名物八森ハタハタ男鹿で男鹿ブリコ……で始まる秋田音頭は季節ハタハタを謡っている。鰰と書く小さな白魚はまさに神の魚。北風が強まる12月、産卵のため海岸に押し寄せる▼雷が鳴り、あられや雪混じりの天候ほど漁が盛んになる。今にもはじけんばかりのブリコ(卵)が食欲をそそる。淡泊な味、どこの家庭でもこの時期、食卓の主役となる。塩焼き、田楽もおいしいが、郷土料理「しょっつるカヤキ」「ハタハタ寿司」は別格といえる▼正月、御田(おた)の神に1年の感謝を込めて、おぜんに鰰をお供えする。米こうじ、人参、ショウガ、ふのり等でじっくり熟成させたハタハタ寿司を友としたお屠蘇(とそ)は新年の気分を満喫させる▼藤沢周平の小説の中にハタハタを食する描写が出てくるが、出身地の山形・庄内でもよく食べられているのだろう。人々の暮らしと気候風土が育んだ優れた食文化といえる。民意からかけ離れた政権で、食と農への風雪が一層強まるだろう。瑞穂の国をどうしても守りたい。 (長)
※1…(うた)記号 (新聞「農民」2015.1.5付)
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[2015年1月]
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