「農民」記事データベース20150105-1148-04

お正月・祝い事のごちそう

こづゆ

福島・会津地方の代表的な伝統食


ホタテ貝柱など具だくさん
心つまったおもてなしの汁もの

 福島県会津地方の代表的な伝統食といえば、「こづゆ」です。ホタテの干し貝柱、サトイモ、ニンジン、焼き麩(ふ)を小さくした豆麩、しらたき、キクラゲなど(具は地域によって多少違う)を煮合わせ、しょうゆや塩で味付けした、あっさりとして滋味あふれる具だくさんの汁ものです。

 もともとは会津藩の武家料理だったようですが、それが庶民に広がり、お正月や祭り、冠婚葬祭など祝い事などのごちそうとして食べられてきました。会津人にとってこづゆは祝い事、つまりおめでたいことに登場する料理で、「楽しい思い出」と結びついた、特別に大切な料理なのです。

 こづゆの神髄は、なんといっても「ホタテの貝柱」をたっぷり使うところにあります。山深い会津では貝柱など海のものはごちそう。こづゆを作るときは大鍋にたくさん作ります。なぜならこづゆは何度おかわりしても失礼にならないことになっているから。ぜいたくな食材をたっぷり使って、遠慮なくたくさん食べてもらいたい、という会津人のやさしさ、おもてなしの心がつまった郷土料理です。

(福島・会津農民連 佐藤常子)


 《材料》 (10杯分)
干し貝柱 7〜8個
(大きさによって加減)
しらたき 2袋
干しシイタケ 4〜5枚
ニンジン 1本
サトイモ 6個
豆麩 30〜40グラム
キクラゲ 10グラム
塩 小さじ1
しょうゆ 大さじ2
酒 大さじ1
※他に、ギンナン、ワラビなどを入れることも。盛り付けにインゲンなどの青みをのせると、ひきたつ。

 《作り方》
(1)貝柱を水に半日〜1日つけてもどし、手で崩す。もどし汁も使う。
(2)干しシイタケ(もどし汁も使う)、キクラゲも水でもどし、少し大き目のさいの目切りにする。
(3)ニンジン、サトイモは少し大きめのさいの目に切って、下ゆでする。
(4)しらたきも食べやすく切って、下ゆでする。
(5)豆麩も水で戻す。
(6)大鍋に、豆麩以外のすべての材料、貝柱と干しシイタケのもどし汁、ひたひたになるくらいの水、調味料を入れて煮る。
(7)食べる前に、もどした豆麩を水けをよく絞ってから入れ、ひと煮立ちさせて、豆麩に火が通ったら出来上がり。
※ポイントは、貝柱のダシをいかすため味付けは薄めにして、下ゆでの手間を省かないこと。

(新聞「農民」2015.1.5付)
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2015年1月

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