分析センターだより
国際有機農業映画祭
今年のテーマは「流れに抗(あらが)う」
“食と農”取り戻す人々を描く
12月14日(日)に第8回国際有機農業映画祭が上映されます。これまで遺伝子組み換えや農薬の問題などを描いた評価の高い映画を上映している映画祭です。私も微力ながら運営委員の一人を務めています。
今回のテーマは「流れに抗(あらが)う」となっています。現在の日本における有機農業体系は1970年代初頭に誕生したと言えます。日本は高度経済成長の勢いに乗り、効率と経済性ばかりを追求、競い合う時代へ突入したころでした。そうした時代、生命の営みをめで、創造にあふれる有機農業という取り組みは、時代への抵抗であったと考えます。
いま世界はより巨大な流れが押し寄せています。家族農業や有機農業のような小さな農業や、地域密着型の持続可能な経済を邪魔者として、排除しようという潮流が力を増してきているように感じます。今年は、この有機農業の原点とも言える「流れに抗う」がテーマとなっています。足を運んでスクリーンに描き出される力強いメッセージと知識を日頃の活動につなげてほしいと思います。
農民連青年部がブース出店
上映は、新潟県村上市で300年以上続く伝統的サケ漁を記録、漁を取り巻く人々の共生を描いた「川はだれのものか―大川郷に鮭を待つ」。南インドで有機農業グループ「ティンバクトゥ」の取り組みから、「緑の革命」がもたらした化学肥料や農薬依存型のシステムが、農民を追い詰め、大企業による独占を起こしていることに警鐘を鳴らし、農と食を再び人々の手に取り戻していくことを描いた「有機農業が拓く地平―インド ティンバクトゥの挑戦」。
豊かな土壌がいかに環境を改善し、いのちを育むか、ミクロとマクロの映像で語る「土の讃歌」。このほか「小川町のべりカフェ」、「みんな生きなければならない」。合計5本の上映があります。
今年は、農民連青年部も協賛団体に加わり、当日は、ブースも出店予定です。
会場は武蔵野大学江古田キャンパス(東京都練馬区)。9時30分開場です。
(八田)
参加費
一般・前売り1500円、当日2000円
25歳以下・前売り500円、当日1000円
申し込み・問い合わせ
国際有機農業映画祭事務局Eメール info@yuki-eiga.com ファクス020(4665)2232
(新聞「農民」2014.12.1付)
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