「農民」記事データベース20141201-1144-01

総選挙で暴走政権に審判を

関連/農民連第21回定期大会のご案内

 11月21日に国会が解散し、総選挙が12月2日公示、14日投票で行われます。この選挙は、憲法無視の戦争する国づくりや、大企業のもうけ至上主義によるアベノミクス、消費税増税による暮らし破壊と経済の危機、原発再稼働などの暴走政治が国民との矛盾を深め、国民世論に追い詰められた結果です。農政の問題でも、TPP阻止や米価下落対策を求めるたたかいが、国民の運動と合流し、解散・総選挙に追い込みました。各分野での怒りを結集し、安倍「暴走」政治をストップさせましょう。農家の怒りの声を紹介します。


新基地建設の安倍政権に
知事選に続き再び痛打を

画像  沖縄県農民連会長 中村康範さん(南城市、酪農) 11月16日投開票の沖縄県知事選挙で、新基地建設断固反対を掲げる翁長雄志さん(前那覇市長)が圧勝しました。名護市辺野古への新基地建設の是非が最大の争点になりましたが、「基地のない沖縄を」と保守・革新の立場を超えた「オール沖縄」の民意が勝利した結果となりました。

 この背景には、終戦後の69年間、アメリカの占領時代を含めて、沖縄が米軍基地に苦しめられてきたことがあります。沖縄県民は長年、米軍が引き起こす事件・事故に苦しめられてきました。今回の知事選では、10年間3000億円という振興予算にも揺るがず、県民の怒りが爆発した形になりました。

 そして、県民は、基地の苦しみの背後に、日米安保条約があり、その下で、膨大な基地があることに気づいてきました。「安保がなくならない限り、基地の苦しみは永久に続く」と。沖縄だけでなく、全国で「基地反対、安保廃棄」の世論が広がらなければ、基地の整理・縮小は進みません。

 安倍政権は、安保に固執し、辺野古への移転を強行しようとしています。安保・基地問題を総選挙の一大争点にして、知事選に続き、安倍政権に再度の審判を下すことが求められます。

 総選挙で安倍政権に再び痛打を与えましょう。

地域も農業も破壊する
TTPは絶対やめて!

 群馬県・利根沼田農民組合 野口恭子さん 私は「農業も地域も壊すTPP参加は、絶対やめて!」と言いたいです。

 わが家は群馬県沼田市で田んぼ4反と少しの野菜をつくる兼業農家です。田んぼの半分はモチ米で、毎週日曜日の朝市でそのモチ米をおこわなどに加工して売っています。お客さんに「おいしい」と言ってもらえるのが私の生きがいだし、「少しでもいいものを作りたい」という思いの源にもなっています。

 でもTPPで、外国産の安い食べものばかりが流通するようになってしまったら、日本の農産物全体の値段が下がって中山間地で農業を続けることも難しくなってしまいますし、私たちの生活も、地域も壊されてしまいます。人々が地域で暮らし続けられなければ、地域も直売所も立ちいきません。

画像
直売所の仲間と野口さん(右)

 この地域は、小さな兼業農家がほとんどですが、庭先でニワトリを飼ったりして、自給と直売を中心に、循環型農業が息づく古き良き農村の暮らしが守られています。このふるさとを次の世代に伝えたい。今度の選挙では「TPPだってノー!」と声を大にして言っていきたいです。

消費税先延ばしは増税宣言
農民いじめ政権はごめん

 高知・土佐文旦産直センター 種田京子さん 安倍首相は消費税10%引き上げを「先延ばし」するなんて言っていますが、あれは「1年半後には必ず増税します」という「増税宣言」で、本当に腹が立ちます。

 私たちは文旦(ぶんたん)とショウガを生産していますが、このところアベノミクスの悪影響で円高がすすんで、産直の宅急便代、段ボールや肥料代などの経費が値上がりし、さらに今年からは消費税8%への増税分も。でも農産物に経費アップ分を転嫁することはできないのが現状です。文旦の値段をどうするか、頭を悩ませています。

画像
種田さんと息子さん

 消費税は農家や商店など個人経営者にとっては、もっとも優先的に払わなければならない出費です。でも先日、知人の税理士から、「これからは消費税用の口座をつくって意識的に取り分けておかないと、払えなくなるよ。“消費税破産”する人がたくさん出るのではと心配でならない」と言われました。うちの地域では商店街もシャッター通りになってしまいました。これ以上の庶民増税は、地域を本当にダメにしてしまいます。

 うちにも農業後継者がいます。見通しの持てる営農と、元気な農民連を若い生産者たちに手渡したい。農民いじめの安倍自公政権はもうごめんです。

米価の暴落をわざと放置
痛烈なパンチ浴びせよう

画像  秋田県農民連委員長 鈴木万喜夫さん(秋田市、稲作) 5ヘクタールの水田を耕作していますが、米価暴落などで去年に比べ130万円の減収になります。融資を受けないととても年は越せません。しかし、このまま引っ込むわけにはいかないと、来年も米作りを続けますが、地域では、「田んぼの賃料が払えない」「新しく頼まれても引き受けられない」などの声が上がっています。

 TPPに参加すれば米価が暴落するのは明らかです。暴落への激しい批判により政権に打撃を受けることを避けるために、米余りと市場原理を口実にして、わざと暴落を放置したようにみえます。自らの野望のためには手段を選ばない。まさに天下の大罪人ではないでしょうか。

 これまで政府は米の需給の安定のため一定の役割を果たしてきましたが、安倍政権はその責任を放棄しました。歴代の自民党政権とそれに続く自公政権が、農民・国民の反対の声を踏みにじって、意図的に農業破壊政策を進めてきた結果です。今回の総選挙で自民党政治に痛烈なパンチを浴びせるために、私も先頭に立って、全力を尽くします。


農民連第21回定期大会のご案内
日程 2015年1月13日(火)午後1時半〜15日(木)正午
会場 東京・「大田産業プラザ」
  (東京都大田区南蒲田1丁目20番20号)
  (京浜急行線「京急蒲田駅」徒歩2分、JR京浜東北線「蒲田駅」徒歩12分)
  ※13日午後6時から「記念レセプション」を大会会場で開催します。

(新聞「農民」2014.12.1付)
ライン

2014年12月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2014, 農民運動全国連合会