「農民」記事データベース20141124-1143-18

旬の味


 11月に入り秋の終わりが近づいている。牧場は冬の到来に備えるため少し忙しい日々を過ごしている。この時期の農作業の一つに牧草を刈り終わった土地に堆肥をまく作業がある▼当牧場では年に2回堆肥をまくが、当然ながらにおいもするうえ10町歩まくのは手間がかかる。しかし、これを怠れば草の収穫量が減り、牛に食べさせるものが減るため重要な作業の一つでもある▼酪農とはおもしろいもので、牧場の中で堆肥をまき、草を収穫し、それを牛に食べさせ、ふんが出たらまた堆肥としてまく。自然界の循環が牧場の中だけでもできる▼当牧場に観光で来る客の子どもが堆肥をまいていると必ず「くさい」と言うのだが、「堆肥があるからこそ青々とした牧草畑になる」と教える。今度はその子が友達と来た際に友達が「くさい」と言うとその子は一生懸命に友達に説明してくれる▼非農家が誤解や勘違いをしないように、または農業のおもしろさを知ってもらえるよう、私たち農家が正しい説明をすることが求められている。

(Y)

(新聞「農民」2014.11.24付)
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2014年11月

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