「農民」記事データベース20141124-1143-17

農家の母ちゃん
手づくり料理

秋田県農民連 佐々木冷子


秋田・郷土食きりたんぽ鍋

 秋田県の郷土食、きりたんぽ鍋に欠かせないのが、比内地鶏(ひないじどり)です。

 比内地鶏は、秋田県で昔から飼われ、天然記念物にも指定されている在来種「比内鶏」を改良したもので、加熱しても固くならない、肉の味が濃い、あぶらにうまみがあるなどの特徴があります。

 でも秋田県外ではなかなか流通していないので、ないときは鶏ガラだけでも比内地鶏を使うと、具の肉は普通の鶏肉でもかなり近い味になると思います。

 また、秋田県の南部では、きりたんぽをサトイモにかえた「いものこ鍋」というのもよく作られています。サトイモを煮るときは、皮をむいて煮始めから塩分と一緒に煮込むと、ホクホクのおいしさが味わえます。


「たんぽ」のつくり方

(1)ご飯を少し固めに炊き、すり鉢にご飯を移し、スリコギでこねるようにしてつく。

(2)粘りがでてきたら、たんぽ1本分のご飯(100グラムくらい)をおにぎりにして、秋田杉の串に先につけ、串を回すようにして伸ばしていく。

(3)形がいびつな時は、食塩水(少し塩味がつく程度)をつけながら、まな板の上などで転がし整える。

(4)表面がきつね色になるまで炭火で焼く。いろりがないときは、バーベキュー台に網を載せて代用する。家庭ではガスでもよい。

《材料》4人分

比内地鶏のガラ1羽分
たんぽ8本
ゴボウ中2本
長ネギ1〜2本
鶏肉(比内地鶏)320グラム
舞茸1〜2パック
糸こんにゃく200グラム
セリ1わ
しょうゆ 150ccくらい
(好みで調節する)
酒100ccくらい
白だし100ccくらい
みりん好みで

《作り方》

(1)比内地鶏のガラをまるごと1羽、じっくり弱火で1昼夜煮込んでダシをとる。煮る前に熱湯をかけて臭みをとる。

(2)ゴボウは薄いささがきにする。ネギは薄く斜め切り、セリ、糸こんにゃくは食べよい大きさに切る。

(3)市販の舞茸は一口大にさいて、熱湯をかけて色抜きする。

(4)別鍋に鶏ガラのスープをおたま2〜3杯とり、酒、しょうゆを100cc加え、一口大に切った鶏肉を入れて、スープがなくなるまで煮る。

(5)出し汁を張った鍋に、(3)の鶏肉を入れてひと煮立ちさせ、あく取りする。残りのしょうゆ、白だしを加え、味をみて、好みでみりん、酒を加えて味付けする。

(6)串からはずして斜め切りしたたんぽ(これをきりたんぽという)、セリ以外の材料をすべて入れ、煮込む。

※市販のたんぽを使うときは、電子レンジでふんわりと温めておく。

(7)最後にセリを加えて、煮立った鍋汁にさっとくぐらせる。半煮えくらいが香り良い。

(新聞「農民」2014.11.24付)
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2014年11月

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