“食”から国を侵略するTPP
要求実現へ 共同強めよう
はたらく女性の中央集会
「許すな!労働者の使い捨て 輝いて働こう ジェンダー平等へ ひろげよう!いのち・くらし・平和守る女性の共同を」をメーンスローガンに、11月8、9の両日、「はたらく女性の中央集会」が東京都内で開かれ、のべ950人の女性が全国から集いました。
ユーモアたっぷり
1日目は全体会。漫画「カバチタレ!」や「ダンダリン101」の原作者の田島隆さんが講演。自らの人生経験をユーモアたっぷりに交えながら、行政書士として社会的弱者に寄り添い、法律相談に奔走する日々を語り、会場を大いにわかせました。
実行委員会を代表して、全労連女性部の大西玲子さんが基調報告を行いました。大西さんは「女性が輝く日本を」と喧伝(けんでん)する一方で、「戦争する国づくり」や労働法制の改悪、雇用破壊を進める安倍政権を厳しく批判。「TPP交渉からの離脱」など、さまざまな分野にわたる61項目の要求実現に向けて、女性の共同を強めていこうと呼びかけました。
2日目は7つの分科会と2つの現地見学が行われ、「グローバル化で私たちは豊かになれるの? TPP・新自由主義をはねかえす共同を」の分科会では、アジア太平洋資料センター(PARC)事務局長の内田聖子さんが講演しました。
微力ではあっても
内田さんは、TPPの本質・ねらいがごく一部の多国籍企業の利益拡大であることを指摘し、同時に、日本のTPP参加を推進しているのが、産業競争力会議や経済財政諮問会議などの新自由主義勢力であることを強調。「安倍政権の悪政は、国内の規制緩和と、グローバルなTPPなどの貿易自由化と、内と外の両面からの攻撃ですすめられている。私たちは微力ではあっても無力ではない。声を上げ続けていこう」と呼びかけました。
討論では、農民連女性部役員で茨城県の米農家の椎名知哉子さんが、「今年米価が1俵9000円まで下がり、田植え機のローンも払えない」と発言。また自治体労働者や教員、生協や共済団体職員などから、「TPPが自分たちの分野も含めて、社会全体に大きな影響を及ぼすことがよくわかった」との声が数多く上がりました。
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アピール文を読み上げる農民連女性部の椎名知哉子さん |
安全基準も危うい
自治体で働く女性は、「米価暴落は、自治体労働者の私たちがいま直面している成果主義の導入による人件費削減の攻撃と同じこと。職場や女性部でも、もっとTPPを引き付けて話せるようになりたい」と発言。
印刷会社で働く若い女性は、「国産の食べものを食べていれば安全だと漠然と考えていたが、TPPに参加したら国産品の安全基準も危ういと聞いて、TPPは“食”から国を侵略するものだと思った」と述べました。
(新聞「農民」2014.11.24付)
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