世界の未来ひらく家族農業高知 食健連・農民連の講演会
関根佳恵さん“役割再評価が世界の潮流”農民連と食健連(食料と健康、地域を守る高知県連絡会)の共催で、10月4日、国連世界食料保障委員会の専門家ハイレベルパネルの報告書『食料保障のための小規模農業への投資』の執筆に携わった関根佳恵さん(愛知学院大講師=写真)を講師に招き「国連2014年国際家族農業年〜家族農業が世界の未来を拓く〜」の講演会を高知市の高知婦人会館で行い56人が参加しました。関根さんは、「なぜ今、国際家族農業年か?」と国連が2014年を国際家族農業年に制定した背景を「食料安全保障や持続的な資源利用などに、家族農業・小規模農業の役割が再評価されている。一方、大規模化と効率化一辺倒、輸出志向型の新自由主義的政策では、環境破壊、飢餓の増大などの弊害は明らかで、社会は豊かにならず食料保障も達成されなかったことが新自由主義的政策の破たんを示している」と指摘しました。 また、「食料保障の実現、国土・環境保全、生物多様性、景観維持、文化遺産保護・伝承など農業の多面的機能発揮による社会統合・安定をめざすために、小規模・家族農業を中心とした新しいモデル構築が必要で、そのための政策を選択すれば未来は変えることができる」と指摘しました。 世界の潮流が小規模・家族農業を再評価している中で、日本の農業政策は「TPP参加によるさらなる自由化に向けて規模拡大に固執し、企業参入を促進するなど、国際潮流に逆行している。破たんした理論から脱却し世界でも優れた実践がある兼業農家、有機農業、里山保全など小規模・家族農業を振興させる政策への転換、新自由主義政策を超える説得力あるオルタナティブ(代替案)を提起することが必要」と力説しました。 参加者から、「家族農業の必要性、重要性は理解しているつもりでも漠然としていたが、この講演は明快で理論的でよくわかった」「家族農業・小規模家族農業こそ国土・環境保全、景観維持、雇用創出、貧困削減、不平等の是正など幾重にも大きな効能をもっていることなど、新しい発見がいっぱいの素晴らしい講演でした」などの感想が寄せられました。 私たち農民連の運動に力強い応援をいただいた講演でした。これを契機に安倍暴走政治参加にストップをかけ、日本の伝統ある小規模・家族経営農業を守り発展させる運動を強力に進めなくてはならないと思います。 (高知農民連 中越吉正)
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[2014年11月]
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