分析センターだより
米検査が大量集中、疲労もピーク
「幻日(げんじつ)」観測してリフレッシュ
「ゲンジツが、ゲンジツが見える」――。そう言いながら試験室の外からスタッフが戻ってきました。ああ、スタッフもいよいよ限界か、精神的疲労もピークか、そう感じたお昼がありました。
いま農民連食品分析センターは、検査に多忙を極める毎日です。米の収穫時期を迎えて、検査業務のほとんどがお米の放射性物質検査、残留農薬検査で埋まっています。
特にゲルマニウム半導体検出器を用いた放射性セシウムの分析には1検体あたり最低1時間が必要なため、依頼が集中しても、なかなか検査数を増やすことができません。現在は、勤務を早出スタッフと遅出スタッフにわけ、できる限り早くデータをお届けできるようにがんばっています。
また少しでもロスタイムが少なくなるよう、細かなところで工夫をし、集中、スタッフでの連携を生かしながら、効率よい分析に取り組む毎日を続けています。
そんなある日のこと、スタッフが前述の思わず噴き出さずにはいられないセリフを口走りながら帰ってきました。何事かと思いましたが、答えは写真のとおり。気象現象の「幻日」がみえるということでした。「幻日」は、雲のなかにある氷晶に光が反射して、太陽から離れたところに、まぶしく輝く幻の太陽がひとつかふたつみえる気象現象のことです。
それは珍しい、みんなで窓を開けましたが、ビルの谷間の分析センターでは、窓を開けたぐらいでは太陽をのぞめず、それじゃあ屋上だ、と、駆け上がってようやっと観測。突然の気象現象に、張り詰めた検査現場の空気もリフレッシュできた昼下がりでした。
(八田)
(新聞「農民」2014.11.3付)
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