「農民」記事データベース20141027-1139-11

旬の味


 大地の恵みがかえってくるこの時期、新米はやっぱりおいしい。艶(つや)と香りが違う。「新米や湯気の向こうにをりし子ら」(NHK俳句)。ほほえましい食卓の情景が浮かぶ。新米は、おかずがなくても良いといわれるが、長年培われた日本人の感性をいつまでも持ち続けたいものだ▼稲刈りは農家にとって汗の結晶で、秋は収穫の喜びで心が踊るものだが今年は重かった。いつもはコンバインの周りをにぎやかに飛びかうトンボやイナゴも主人の顔色を心配したのか元気さが見られず、稲刈り後のひこばえも勢いが今一つ。米価大暴落という異常事態を田んぼの生きものたちも察知したのだろうか▼生産費の半値の米価でどうして米作りを続けられようか。農民連が緊急に行った農水省交渉に、座して死を待つわけにはいかぬとの思いで参加した▼米価暴落を苦に自ら命を絶つ深刻な事態が告発され、騒然となった抗議に農水省は対策を拒んだ。なんと無慈悲なことか。国の農業と食糧を守るのが農水省のはず。安倍政権の正体を見た。

(長)

(新聞「農民」2014.10.27付)
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2014年10月

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