「農民」記事データベース20141020-1138-08

築地市場&豊洲予定地を視察

移転より再整備がいい

この目でみた! なるほど

関連/移転予定地・豊洲を視察 推進のアリバイ作り?


 守ろう! 築地市場パレード実行委員会は9月20日、「9・20築地市場&豊洲予定地視察バスツアー」を開催し、50人以上が参加しました。

 参加者は簡単な説明を受けた後で、グループに分かれて築地市場内を見学。そのあとで現在地再整備のために最初に建てられた、立体駐車場の屋上から市場の全景を観察しました。限られた敷地内に動線を機能的に確保して、効率よくつくられた築地市場の姿に参加者からは感心の声が上がっていました。

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築地市場水産卸業者の売り場を見学する参加者

 昼食交流会では、全労連・全国一般東京地本・東京中央市場労働組合(東中労)の羽根川信委員長があいさつ。「なぜ築地市場再整備がいいのか。その目で見てほしく、今日の視察を企画した」と話しました。

 元東京ガスの職員も参加。工場の操業時の写真を見ながら、当時行われていた作業と、汚染状況との関連が説明され、参加者から「なるほど」と納得の声が上がっていました。

 午後からはバスで豊洲の移転予定地を見学しました。街区ごとに進ちょく状況はかなり異なりますが、水産部仲卸の建設予定地では基礎工事がかなり進んでいました。東中労の中澤誠書記長は「2カ月来なかったが、作業が一気に進んでいる」と驚くとともに危機感をあらわにしていました。

 帰りのバスの中で、建築士の水谷和子さんは、「基礎工事を進めて、地面にふたをしてしまって、法律で定められている、2年間の汚染のモニタリングを一体どうやって行うつもりなのか」と批判。流通計画がいまだに決まらず、汚染対策もおざなりな実態を目の当たりにし、参加者からも「やはり現場を見てよかった。周りの人に伝えていきたい」などの感想が出されました。


都知事

移転予定地・豊洲を視察
推進のアリバイ作り?

 東京都の舛添要一知事は9月16日、江東区の築地市場と移転先の豊洲新市場予定地を視察しました。

 同氏は、早朝、築地市場内の生鮮マグロ卸売場や青果部卸売場の視察した後、豊洲に移動し、関係者から工事の進ちょく状況などを聞きました。

 視察後に行われた記者団への会見で、舛添知事は、築地市場について「何といっても狭い、衛生管理上も問題」と述べ、「1日も早く新市場をつくることが大事だ」と推進姿勢に固執。記者団から「築地から豊洲に移れないという業者もいる。市場機能の低下を心配する声もある」との問いに、「さまざまな声があり、さまざまな支援策を行っていきたい」と述べるにとどまりました。

 今年2月に行われた新市場建設協議会で、都水産物卸売業者協会の伊藤裕康会長は、市場の命というべき物流動線に対して、豊洲では水産仲卸、水産卸、青果卸と3分割されている問題点を指摘したほか、汚染対策も不十分な点を批判しました。

 記者団から「都知事選で知事の応援をした伊藤会長からも疑問の声がでている」と指摘されると、「細かいやりとりは聞いていない。汚染対策は10月末に終わると聞いている」と他人事のような受け答えに終始しました。

 結局、移転推進のアリバイづくりのためだったと言われても仕方がないようなお粗末な視察でした。

(新聞「農民」2014.10.20付)
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2014年10月

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