御嶽山噴火収穫直前のソバ、キャベツ降灰長野 水洗い、等級落とし出荷も
心配な風評被害、川魚・酪農への影響木曽節にも歌われ、3000メートル級の山としては、小中学生でも登れる山として親しまれ、また、山岳信仰の山としても有名な御嶽山が9月27日噴火しました。この噴火で、死者51人(10月5日現在)、重軽傷者は60人を超え、戦後最悪の火山災害となりました。ともに山に親しむものとして心が痛みます。こうしたいたましい被害とともに、御嶽山東側の開田高原周辺で降灰が確認され農作物に被害が発生しています。開田高原はソバが有名ですが、10月5日に予定していたソバまつりは中止となり、刈取り直前のソバ畑のソバの葉にはうっすらと灰がかぶっています。雲の間から噴煙を上げる御嶽山を望む、野菜畑のキャベツなども灰をかぶったままになっています。
周辺には野菜直売所が点在し、今は、トウモロコシ、白菜、小松菜などが並んでいます。葉物は灰を洗い、外葉を外して売られていますが、直売所の農家の方は「灰を洗えば品質には問題ないと言われているが、風評被害が心配になる」と不安げな表情です。 白菜は「御嶽はくさい」としてこの地域の特産です。地元紙によると、白菜の栽培面積75ヘクタールのうち、収穫が終わっていない18ヘクタールすべてに降灰したため、農協出荷の場合は、白菜を水で洗い流し等級を落として出荷するなどの被害が生まれています。 地元の農民連(木曽農民センター)の磯村正義事務局長は、野菜農家の状況をつかみ「白菜農家は、洗って出荷するために通常の3〜4倍の時間と労力がかかっている。等級も下がっているので、経済的負担など今後のことが心配になる。県農民連とも協力して、実態の把握と必要な支援の取り組みをしたい」と話しています。 噴火が長期化することも予想されています。今後、野菜のほかに魚養殖や酪農への影響も危惧されます。その被害状況をつかむ等地元組織と協力し、多様な支援を進めていきます。 (長野県農民連 宮沢国夫)
米価暴落黙ってられない長野・怒りの緊急集会軽トラ21台パレード絶好の稲刈り日和の9月23日、長野県の飯水岳北農民組合と栄村農民組合が飯山市内で怒りの緊急集会を開き、北信州の米どころ栄村、飯山市、木島平村を21台の軽トラが3コースに分かれてパレードをしました。この時期は稲刈りの真最中で、参加した組合員の中には「午前中稲刈りをして切り上げてきた」「家族に稲刈りを頼んできた」など、参加者それぞれが“黙っていられない思い”をもって集まりました。 栄村農民組合はこの日までに、村議会に請願を出し、農業委員会にも申し入れて農業委員会で建議をして参加しています。山本一郎組合長は「声をあげなければ生産から撤退する農家も出てくる。今の気持ちを声に出して行動したいという気持ちで周りに呼びかけた」と語っています。 怒りの集会で、飯水岳北農民組合の高橋正治組合長は「この集会とパレードのことでJAに申し入れもした。今後、米価下落などで粘り強く話し合いをしながら、地域での取り組みを強める」と決意をしています。 飯山市の農家は、「みんな先行き不安に思っている。参加予定をしていた農家もいたが田んぼから上がれなくなったので、みんなの声を代表して参加した」との思いを語りました。 長野県の米どころの北信州地域でこのパレードを契機に、さらに取り組みを強める決意を固めあいました。 (長野県農民連 宮沢国夫)
(新聞「農民」2014.10.13付)
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[2014年10月]
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