広島・土石流被害現場を視察農民連常任委員 坪井 貞夫
家中に自動車 部屋には大岩…発生直後のまま 手作業で復旧進まず私は、農民連代表として、全国災対連(略称)の一員として、8月20日未明に襲った広島市安佐南区の土石流被害現場を見てきました。まず驚いたのは、新幹線・広島駅から、わずか北に30〜40分で被災地という、広島市の中心部と言える地域で起こったことです。 阿武山という標高590メートルの山の急斜面に張り付くように県営住宅をはじめ、住宅が密集している所です。 安佐北地区(ここも被災地)で、6万8813世帯、16万4108人が住む幅3キロメートル、長さ13キロメートルの狭い地域に集中して、時間雨量115ミリ、累加雨量287ミリという豪雨が襲い、急斜面に降った雨が小さい川を越えて、砂や大きな岩とともに、細い道を転がり落ちました。 死者74人、家屋全壊などの被災住宅4540戸、安佐南区だけで約50万立方メートルの土砂が流されたといいます。もとは道路であったところが、2メートルの深さでU字型にえぐれていました。 この元道の両側の家は全壊、半壊が続き自動車が家の中に、大きな岩が部屋の中に転がり込む状況がまだみえました。
やっと重機が入って除去作業が始まっていました。1000人を超えるボランティアが手作業で土のう袋に入れた泥や岩を出したり、懸命に作業していました。 地元、八木地区の被害者の話では「ここは、大きな岩が点在し雨はすぐに地下へ入り、このように地表を流れることは今までになかった」と、異常な降雨の経験を語りました。 夜には広島県災対連結成総会が行われ、今後の取り組みについて話し合われました。 都心部での災害という状況で、物の不足は基本的にないようです。問題は生活再建など生活上の課題がこれから問題になります。そのためにも義援金が必要だと思いました。 地球温暖化が進行するなかで、予想を超える災害が発生する状況が拡大しています。 原発再稼働を含めて全ての安全神話の見直しが求められていると思いました。
(新聞「農民」2014.10.6付)
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[2014年10月]
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