農民連関東ブロック
2月豪雪被害の補助金届かず
農水省に一刻も早い支払いを要請
今年2月に関東甲信地方を襲った豪雪被害の支援対策について、農民連と農民連関東ブロックは9月18日、農水省に要請を行いました。
国は今年3月、倒壊したビニールハウスの撤去費用を全額補助(地方自治体負担含む)、再建・修繕費用は9割補助(地方自治体負担含む)するなどの特別対策を発表しました。
ところが現場では、豪雪被害から7カ月が経過した現在でも、被災農家に補助金が一向に支払われておらず、ハウスの再建が遅れているという事態が広がっています。この要請に先立つ9月11日には、埼玉県農民連がこの問題で県に要請を行いましたが、県はこの日までに撤去費用として3件、3万4000円を支払っただけであることを明かし、その原因として「国に申請は上げているが、お金が国から下りてこない」と釈明しました。このため、今回の農水省への要請では、事実関係の説明と、一刻も早い支払いを求めました。
農水省は、支援事業の手続きと補助金交付の流れをていねいに説明したうえで、9月16日までに群馬県には94億円、埼玉県には71億円の予算措置がされていると回答。「予算枠はきちんととってあり、国は県からの『事業計画の承認』と『交付の申請』を待っている状態だ。しかし、いかんせん、交付に至るまでのこうした書類が、県から上がってこない」と現状を説明しました。
来年度も継続を
参加者は「県は反対のことを言っているが、なぜこういう矛盾が起こるのか」と質問。農水省は、「県や市町村が、撤去費用と再建費用をセットで処理しようとしているからではないか。というのも、これらを別々に処理すると、事務作業も2倍、3倍に膨れ上がることになるからだ」と回答。
群馬農民連の木村一彦会長が、「手続きの大変さ、遅さに、農家からは来年の農作業にも間に合わないという焦りが強まっている」と述べると、農水省は「群馬県は特に手続きが遅れており、まだ数百万円の支払いという現状で、国からも現地調査に足を運んでいる」と述べ、国としても県への指導を強化していると回答しました。
参加者からは、「このままでは今年度中に交付金が出ない事例もあるのではないか。来年度も事業継続を」という声もあがりました。農水省は「皆さんの要望は重々承知しているが、これは大雪被害という特例であり、単年度事業だ。県・市町村は残業や休日出勤するなり、スタッフを増員するなりしてでも、なんとしても今年度中に交付決定まで手続きを終わらせてもらいたい。国としてできることは精いっぱいしていく」と答えました。
また、政府は9月16日の閣議で、大雪被害対策として一般会計の予備費から447億円を支出することを決定しています。
(新聞「農民」2014.10.6付)
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