TPPむりやり“合意”許さない
日米閣僚会合前に
市民アクションが緊急宣伝
「STOP TPP!! 市民アクション」は9月24日、東京・有楽町マリオン前で、緊急の宣伝行動を行いました。
23日からワシントンでTPP日米閣僚会合が始まり、甘利明TPP担当相が出席。オバマ米大統領の「11月にも大筋合意を」の思惑を受けて、無理やり「合意」を急ごうとするなかで、「合意を許すな」と宣伝に取り組みました。
宣伝カーから、TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会の醍醐聰・東大名誉教授、全農協労連の舘野豊書記長、日本消費者連盟の山浦康明さん、全日本教職員組合の山本幸一執行委員、農民連の笹渡義夫事務局長、齋藤敏之常任委員がそれぞれの立場から、交渉反対を訴えました。
チラシを受け取る人も多く、立ち止まって弁士の訴えに耳を傾ける人の姿もみられ、関心の高さをうかがわせました。
TPP万が一“妥結”したとしても
果てしなく続く主権侵害と内政干渉
協定にない条件の譲歩強いられる
TPPが万一妥結しても「承認手続き」と呼ばれる主権侵害と内政干渉が果てしなく続く――。TPPに反対するパブリック・シチズンや第3世界ネットワークなどの国際NGOや法律学者が、米国が締結した自由貿易協定の分析に基づいて警鐘を鳴らしています。
米国と自由貿易協定を結ぶ国は、交渉でさんざん譲歩し妥結にこぎつけたのち、協定にない条件も含めてさらなる譲歩を求められるといいます。
TPPが妥結した場合、各国は国内で発効に向けた準備を進めることになります。「承認手続き」とは、その際、米国が、国内法である「通商協定実施法」に基づいて、他国の国内法と政策の変更を求めるというもの。圧力は米国の利益が満たされるまで続きます。それまで米国政府は、たとえ議会が協定を承認しても、協定の発効を認めません。
国際NGOは承認手続きについて専門のウェブサイトを新設し、報告書もまとめました。それによると、エルサルバドルは、米国からの食肉、乳製品について無検査で輸入することを認めさせられました。グアテマラとドミニカ共和国は、医薬品のデータ独占権の強化を強いられ、薬価の高騰などが起きています。これらは協定本文には含まれていませんでした。
ペルーの国内法整備には、米通商代表部やその法律顧問が直接かかわったことが、内部文書で明らかになっています。
報告書作成を主導したオークランド大学のジェーン・ケルシー教授は、承認手続きについて、「主権と内政に対する全面的な侵害」と批判。報告書の日本語版の翻訳にあたったアジア太平洋資料センター(PARC)の内田聖子事務局長は、前書きで、日本の法規・規制・慣行は、TPP協定本文に盛り込まれなくても、承認手続きを通じて「変更を強いられる」と警告しています。
(新聞「農民」2014.10.6付)
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