GMナタネ自生問題で報告集会
GM(遺伝子組み換え)ナタネ自生問題を考える院内学習会が9月4日、国会内で開かれました。9月から10月にかけて韓国・ピョンチャンで開かれるカルタヘナ議定書第7回締約国会議(MOP7)と生物多様性条約第12回締約国会議(COP12)に向けた事前学習会です。主催は食と農から生物多様性を考える市民ネットワーク(食農市民ネット)。
2014年に全国各地で行われたGMナタネ自生調査の最終的な結果を発表し、MOP7で報告することを目的にしています。
調査をとりまとめた遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンが報告。全国37都道府県で取り組まれ、総検体数904のうち、簡易試験で行う1次検査で、除草剤ラウンドアップに耐性をもつGMナタネ(RR)17、除草剤バスタに耐性をもつGMナタネ(LL)64、両方に耐性をもつものが3でした。
農民連食品分析センターの八田純人所長が、1次検査で遺伝子組み換えでない(陰性)と判定されたものが、PCR(注)機器で行う2次検査で遺伝子組み換え(陽性)と判定されるもの(隠れ遺伝子組み換えナタネ)について報告しました。
八田所長の報告要旨は次の通りです。
(注)PCR法とは遺伝子を検出する手法の一つ
隠れGMナタネ
環境省と市民グループの合同調査
試験紙の違いから結果に差
農民連食品分析センター 八田純人所長報告(要旨)
隠れGMナタネは08年ごろから確認されるようになり、今年は、環境省の調査グループとの共同確認試験が実現しました。
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報告する八田所長 |
今回は、遺伝子組換え食品を考える中部の会が三重県四日市港で採取したナタネで、1次試験で陰性だった20個体を分析センターに送り、現地の1次試験と同じ簡易試験紙を使っての簡易試験とPCRによる確認試験を行いました。
さらに隠れGMとみられる個体と、現地試験で陰性だったにもかかわらず、分析センターの1次試験で陽性、またはわずかに陽性とみられる個体を環境省に送り、1次試験を実施してもらいました。
その結果は、表の通りです。
使う試験紙によって結果に違いがでてくるのがわかります。
GMナタネを判定する試験紙はRRとLLの2タイプが存在します。LLを判定する試験紙は、現在のところ1社1製品ですが、RRを判定する試験紙は大きく分けて2社2製品であるといえます。
環境省が使用する製品は、市民グループが使うものとは異なることがわかりました。
市民グループが使うのは、ROMER社Trait、環境省はNEOGEN社Rvealでした。
この2つの試験紙を比較検査したところ、明らかにNEOGEN社製試験紙が強い陽性反応を示すことがわかりました。
結果として、環境省と市民グループでの判定結果に差が起きる直接的原因は、この試験紙にあるといえます。
(新聞「農民」2014.9.22付)
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