本の紹介
和田 武・豊田陽介・田浦健朗・伊東真吾・編著
市民・地域共同発電所のつくり方
地域・市民が主体の自然エネの
各地の実践例を数多く紹介
福島原発事故や、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)の施行などを契機として、「自分の地域でも自然エネルギーを実践したい」という声が各地で強まっています。なかでも強いのが、「大企業がやるメガソーラーなどではなく、地域・市民が主役になった、地域のための自然エネルギー事業ができないだろうか」というものです。そんな願いに真正面から応えて編纂(へんさん)されたのが本書です。
市民共同発電所とは、市民の出資や寄付でつくられた自然エネルギーの発電所のこと。前半では、市民・地域共同発電所の意義や歴史、FITの活用などのほか、全国の市民・地域が主体になった実践例を数多く紹介。そのなかには、福島県農民連の太陽光発電の取り組みも紹介されています。
後半では、自然エネルギー事業の立ち上げにかかわる資金調達の方法、組織づくり、運営・管理などのノウハウを紹介。事業計画のたて方や金融の取り扱い方法など、きわめて実践的に共同発電所の「つくり方」がコーディネートされています。
編者は、農民連の全国代表者会議(2011年)でも講演していただいた日本環境学会元会長の和田武さんをはじめ、NGOで長年にわたって自然エネルギーの実践に取り組んできた4人の方々。「これから地域で自然エネルギーを実践したい」という人には必読の書となっています。
▼編著 和田武・豊田陽介・田浦健朗・伊東真吾
▼かもがわ出版 TEL 075(432)2868 ▼定価 1700円十税
(新聞「農民」2014.9.8付)
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