「農民」記事データベース20140901-1131-10

この人

千葉・多古町旬の味産直センター青年部
小林篤史さん(29)


子らがあこがれる“農業”を

画像  千葉県旭市で夢を持ってがんばっている青年農家がいます。多古町旬の味産直センター青年部の小林篤史さん(29)です。

 小林さんの住む旧干潟町は干潟八万石とも呼ばれた稲作地帯。かつて下総国(主に現在の千葉県北部)中を覆うほどの大きな椿(つばき)の木が生えていた跡という伝説のある、椿海(つばきのうみ)を江戸時代に干拓して作られた農地です。

 大学卒業後、いったんは就職しましたが、「人に使われるよりも、自分で主体的に働きたい」と、2010年の2月から就農しました。自宅の農地のうち400坪のハウスを使ってキュウリを独立採算で栽培しているほか、家族を手伝って米、トマトなども栽培しています。

 「始めて4年ですが、地域の人からお酒の席で、いろいろな情報を聞きながらやっています。自分の努力次第で、情報がいくらでも得られて、やりがいがあります」と意気込んでいます。

 「もちろん自然相手ですから、思うようにいかないこともあります。暑いハウスで作業しているときは『何でこんなことをやっているのだろう』と思うこともあります。でもやっぱり性に合っているのか、農業は楽しいです」と小林さん。「キュウリの加工は漬物くらいしか思いつかなかったので、いまはとにかく収量にこだわって栽培しています」

 小林さんの家では酒米も栽培しています。その米を原料につくった日本酒は、農協の祖と言われる大原幽学にちなみ「幽学の里」と名付けられて販売されています。「おいしく飲みやすいお酒になっています」と小林さんご推薦の逸品です。

 将来は「子どもたちのあこがれの職業に『農家』が入るようになるのが夢です。そうやって新しい担い手を広げていけたらいいですね」と希望を語る小林さん。「農家の楽しさを伝えたいので、小さな子どもを連れて、ぜひ見学に来てください」と話していました。

(新聞「農民」2014.9.1付)
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2014年9月

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