集中豪雨
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関連/西日本の集中豪雨 /集中豪雨甚大被害 |
堤防が決壊した付近の畑。奥のビニールハウスは半分土砂に埋まっています(兵庫県丹波市) |
丹波市内(氷上町)に入ると、新日本婦人の会の会員さんと田植えをした9条田んぼでは、稲の先端にゴミが引っかかっており、完全に水没していたことがわかります。「新婦人さんと植えたサツマイモはダメになったかもしれない…」と苗を用意して下さった岩本ひとみさんが心配していました。
市島町へは国道が通行止めのため、農道を走ってたどり着きました。農民連会員の高木力さんに出迎えていただき、集落を回りながら被害状況を説明してもらいました。
高木さんは「深夜1時ごろに避難指示があったが、家の前は暗やみで濁流となっていたから、避難行動はとらず自宅に待機した。山が崩れて、生えていた木と土砂が、家と田畑に流れてきた。自分の田んぼは1割の被害だが、会員の渕上隆弘さんの田んぼと畑は被害が大きい」と説明しました。
渕上さんに聞くと、「6〜7反は流木と土砂でダメになっており、自宅の被害が大きく、残り7反は見に行くこともできていない」とのことでした。
高木さんは「耕作放棄地なら重機で対処可能だが、水田や畑は手作業での復旧になると思う。しかし、人手を確保できないかもしれない」と不安も訴えました。
田んぼから流木を担ぎ出す若者が見えました。この市島町は有機農法が盛んで、高木さんが新規就農の若者に田んぼと住宅(空家)を紹介していました。
高木さんは春先に、「最近は、若者が増え始めた」とうれしそうな表情でした。しかし今は、「Iターンで新規就農した若手が、機械を新調したのにそれが全滅している。作物もダメ」と深刻です。
今回の被害で、若者増加のよい流れが途切れないよう、兵庫県農民連としてできることをお手伝いしていきます。
※〓は、「いってんしんにゅう」の「辻」。
京都産直センターの理事をしている西正幸さんは「40年に一度といわれていた豪雨が年に3回も襲った」といいます。土砂が田んぼや畑に入り、収穫皆無とみられるところもあります。
西さんも田んぼが一部水につかったのに加え「昨年の18号台風で削り取られた農道がやっと補修を終わったところ、またやられた」「収穫をひかえてこのままでは田んぼに機械が入らない」と思案状態です。
水につかって倒伏した稲を示す西さん(京都市右京区) |
村の公民館はすぐそばを流れる川の護岸が昨年の18号台風でえぐり取られ大きな土のうを積んで仮止めをしていたところを再び削り取られ、土のうも流されて危険な状態になっていました。
収穫間近な田んぼに流れ込んだ流木や土砂を取り除く作業を黙々と続けていた松山信太郎さん(80)は、「2回続けてやられた。どうしたらいいのか」と落胆していました。それでもなぎ倒された鹿よけフェンスを立て直して、せめて収穫可能なところは鹿の被害を受けないようにと作業を続けていました。
生産法人山国さきがけセンターが栽培しているサチユタカ(白大豆)の畑も水につかり赤茶けて収穫皆無の状態でした。畑を見に来ていた生産者も「もうさっぱりだ。せめて共済金をようけもらわな」と自ちょう気味に話していました。
もはや「何十年に一度の災害」への対応でなく、いつでもどこでも大災害が起こりうることを想定した災害対策が求められています。行政に対しても対応の改善を求めていく必要があります。
[2014年9月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
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