本の紹介
鈴木宣弘東大教授監修
再生可能エネルギー
農村における生産・活用の
可能性をさぐる
畜産バイオマス、モミ殻、木質ペレットの事例を紹介
「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」の呼びかけ人を務める東京大学教授の鈴木宣弘さんが監修を手がけたブックレット『再生可能エネルギー 農村における生産・活用の可能性をさぐる』が、出版されました。
鈴木さんは「自分たちの地域を守るのは自分たち」と題した巻頭言のなかで、安倍政権が推進するTPP参加や「農政改革」を厳しく批判するとともに、自分たちの地域と暮らしを守っていくための一つの方向性として、地域生活の柱となる食料とエネルギーを可能な限り自給できるシステムの構築を呼びかけています。
本書は、JC総研(JAグループや漁協・森林組合、生協などのシンクタンク)が企画したプロジェクト研究の一端をまとめたもので、農業者や地域が主体となって再生可能エネルギーを活用している事例を紹介。なかでも農村にとって身近な再生可能エネルギーであるバイオマスにテーマを絞り、畜産糞尿を活用した畜産バイオマス発電、木質ペレットのボイラーやストーブ、モミ殻ボイラーの3つを取り上げています。
バイオマス利用によるエネルギーの地産地消の実現には、エネルギーや副産物を活用する全体的なシステムの構築が重要であり、そのためには「農業の力」「地域の力」が大きなカギになることが伝わってくるブックレットです。
▼著者 榊田みどり・和泉真理
▼筑波書房
▼750円+税
(新聞「農民」2014.8.25付)
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