「農民」記事データベース20140811-1129-03

生産者米価暴落

これでは米作り続けられぬ

政府の責任で過剰米処理を


農民連とふるさとネット

 農民連と農民連ふるさとネットワークは早場米の収穫を目前に控えた7月25日、農水省に対して米価暴落対策についての要請を行いました。

 冒頭、農民連の白石淳一会長が「米価は前年比3000円から4000円程度下回ると言われている。これでは生産者価格は1万円前後になってしまい、米農家はやっていけない。何としても政府の責任で過剰米の処理を」と求めました。

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生産現場の状況を訴える米生産者(立っている人)

 農水省は「米の需給緩和は民間主導が適当」「米の価格は民間取引のなかで決まるもの」と繰り返すだけ。米価暴落の認識についても「去年より価格は下がっているが、去年が高かったため。推移を見守りたい」と傍観者的な答弁に終始しました。

 笹渡義夫事務局長は「農水省は、昨年11月の時点で、今年6月末在庫が2年前より75万トンも増えると認識しながら何もしなかった。これが価格の下落につながっている。担い手つぶしの最たるものだ」と指摘しました。農水省は「何もしていないのではなく、産地を回って非主食用(飼料・加工用)の作付けへの変更をお願いしてきた」と答えたのに対し、「どれだけ飼料用米が増えたのか。突然の政策変更で作付けに間に合わなかったではないか」と批判しました。

 さらに、5月に集荷団体等が行った余剰米35万トンの市場隔離対策について「実施しなかったらもっと下がっていたかも…」と答弁したのに対し、「備蓄米は、今年産で買い入れる25万トンを加えても、40%が4年以上経過した超古米となっている。これを飼料用米などに処理して、追加買い入れを行え」と迫りました。

 茨城県坂東市から参加した生産者は「農水省は農家を守るところではないのか。米を1・6ヘクタール作っているが、昨年は120俵収穫し、1俵1万2000円から3000円で売れた。しかし、組合費や農薬代、肥料代などで120万円かかった。1俵1万円になったら利益はでない。せいぜい自分たちが食べる分の20アールだけ作って、残り1・4ヘクタールは倒伏させて共済金をもらった方がましだ」と述べました。

 農水省は最後に「現場の厳しい状況を上に伝えて検討したい」と述べました。

(新聞「農民」2014.8.11付)
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2014年8月

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