ほんまにええの?
TPP大阪ネットがシンポ
くらし壊す規制緩和許さない
今年3月に結成された「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」が7月13日、大阪市の大阪国労会館で、規制緩和が私たちのくらしに及ぼす影響を考えるシンポジウム「ほんまにええの?TPP PARTU」を開催しました。77人が参加しました。
広がる一点共闘
「食料を守り、日本農業再建をすすめる大阪府民会議」の原弘行会長(大阪農民連会長)は「安倍内閣のTPP参加表明以降、戦後レジームからの脱却と称して、規制緩和をいっそう進めている。一方で、全国各地では『TPP交渉からの脱却、国会決議を守れ』などの一点共闘と新たな運動も広がっている」と開会あいさつを行いました。
全大阪消費者団体連絡会の飯田秀男事務局長が、この間のTPP交渉の経過とカナダ・オタワでの交渉官会合終了時点での状況等を報告しました。
地域経済再生を
シンポジウムでは、各分野からの報告がありました。「雇用・労働法制規制緩和」について、TPPに反対する弁護士ネットワークの杉島幸生弁護士は「海外の投資家が投資しやすくするために『解雇の自由』『残業代ゼロ』『国をまたがった派遣会社の外国人労働者の移動の自由化』などの議論が進められている。日本の労働組合はもっと危機意識をもってTPPに反対すべき」だと述べました。
「中小商工業者と規制緩和」については、大阪商工団体連合会の大川利雄副会長が「大企業の身勝手な行動を抑え、自治体での中小企業振興条例を提唱している。地域経済の再生をはかり、循環型社会をめざす」と語りました。
「TPPで医療はどう変わる」のテーマで、大阪民主医療機関連合会の平出幸夫事務局次長が発言。「医療・介護の国・企業の負担が減って、市場が拡大にすることになった。この市場に米国資本の保険会社が入ってくる」と指摘しました。
涙ぐみながら…
「保育行政と規制緩和を巡って」については、大阪保育運動連絡会の岩狭匡志副会長から「保育事業に企業が参入しやすい市場にするため公立保育所の廃止、最低基準の緩和などが進められてきた」と報告しました。
さらに、2009年に大阪市の認可外保育施設で4カ月の息子さんを亡くした、ラッコランド京橋園乳児死亡事故裁判原告の棚橋恵美さんからは、「認可保育所に入れず、やむなく認可外保育所に入所し、わずか1週間でうつぶせ寝の窒息死でした。当日は13人の幼児を含め17人の子どもを無資格者二人が保育にあたっていました。裁判で大阪市の担当者は、市に責任はないと言わんばかりの証言をしました」など、涙ぐみながらの報告がありました。
アピールを提案
最後にコーディネーターの樫原正澄・関西大学教授から、本シンポジウム名で、TPP交渉について、国会決議を守り、情報公開を求めるともに、くらしにかかわる規制緩和に反対する内容でアピールを出していく提案について、満場の拍手で確認しました。
(新聞「農民」2014.8.4付)
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