“稲づくりは農業の基本”
新婦人産直にお米を出荷している
千葉・成田 長谷川精一さん(64)
地域・集落を守る取り組みも
新日本婦人の会との産直にお米を出荷している千葉県成田市の長谷川精一さん(64)にお話をうかがいました。
長谷川さんはお米2・8ヘクタールとトマトを作っています。お米では収入が十分ではないので、トマトで生計をたてています。収入が十分でない米を作り続ける理由は、「農地を守ること、昔から行われている米作りの文化を守ること、そして、米はどんな作物よりも“規則正しい”農業の基本になる作物だから」と話していました。植えてからほぼ教科書通りの日数で生育し収穫を迎えるというのです。
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こだわりの米づくりをする長谷川精一さん |
稲作りには熱い思いがあります。どの田んぼも一見同じように見えますが、長谷川さんの説明を聞きながら見ていると、長谷川さんの田んぼとほかの田んぼは葉の色、稲の生え方が全然違うのがわかりました。
一般の栽培方法は1本の苗を何本にも増やす(分けつ)ために田植え前に肥料をまきます。長谷川さんは、稲本来の力で分けつしてもらうため、最初は肥料を与えず、生育中期に初めて肥料を与えるのだそうです。「みんな元気に育っている」と目を輝かせ声を弾ませて話してくれたのがとても印象的でした。
長谷川さんは農業のかたわら、集落を守る取り組みもされていました。この集落は成田空港北側の飛行直下にあることから、騒音関連法により家族以外の住民が新しく家を建てることができない地域です。このままでは、農業も集落も絶えてしまうと、生産者仲間や定年退職した幼なじみたちと「成田市荒海共生プラザ」管理組合を設立しました(市民無料)。
子どもからおとなまで楽しんで体づくりができる最新の認知動作型トレーニングマシーンが用意され、インストラクターのアドバイスのもと利用者は、はつらつと体づくりに励んでいました。
(千葉県農民連 小島朋子)
(新聞「農民」2014.7.28付)
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