「農民」記事データベース20140728-1127-06

最高裁に上告した

JAL解雇撤回・客室乗務員原告団
内田妙子団長に聞く

 2010年末に日本航空(JAL)が客室乗務員84人、乗員(パイロット)81人を不当に解雇し、解雇撤回・原職復帰を求める裁判で東京高裁は6月3日に客室乗務員に対して、5日は乗員に対して、それぞれ原告の控訴を棄却し、解雇を認めた東京地裁の判決を維持する不当な判決を下しました。JAL不当解雇撤回・客室乗務員原告団の内田妙子団長に話を聞きました。


空の安全を無視した不当判決
不正義に黙っていられない

 私たちの主張をとり入れぬ判決

画像  突然の整理解雇から3年半。この間、農民連のみなさんには物心両面にわたってご支援いただき、たいへん感謝しています。

 解雇直後には、お米や野菜を送っていただき、みなさんの温かさを感じながら、おいしくいただきました。11年と13年に開かれた「ふるさと産直見本市」では、出展された生産者のみなさんに温かい激励の言葉をかけていただきました。

 12年3月の地裁判決は「会社更生手続きの解雇だから特別だ。どんなに利益が上がっていても、更生手続きで予定された人員削減体制にするために解雇は必要だった」というものでした。

 今回の高裁判決は、地裁判決をそのまま踏襲するばかりか、私たちが控訴審で行った、解雇の違法性を裏づける証言や会社側の主張への徹底的な反撃・追及を一切無視した、不当極まりないものです。

 判決の問題点をあげてみると…

 判決の問題点の一つめは、人員削減目標が超過達成していたとする原告の主張を不正確として退け、削減目標を達成していたかどうかの認定をしていないことです。これは整理解雇の必要性の立証責任は会社側にあるという裁判ルールを逸脱するものです。

 二つめは、「裁判所が認可した更生計画」は絶対で、「裁判所が指定した管財人の判断は合理的」としていること、三つめは、経済発展のために国民の犠牲は当然という思想が支配していることです。

 四つめは、行き過ぎた人員削減でベテランが減り、厳しい勤務実態のなかで離職が後を絶たないという現実から目をそらす、空の安全を無視した判決です。

 署名や集会にぜひ厚い支援を

 裁判所は、労働者の人生や生活をどう考えているのでしょうか。こうした良心のひとかけらもなく、憲法・労働法をじゅうりんした「棄却ありき」の判決は、絶対に許せません。

 私たちが整理解雇されてから3年半、この間に病気で亡くなった人、子育てや親の介護中の人など、家庭とくらしに大きなしわ寄せがきています。

 しかし、私たちがこのまま判決を受け入れ、間違ったことや不正義に黙るわけにはいかない、何としても覆さなければならない、という思いで全員が引き続きたたかうことを決意し、6月17日に最高裁判所に上告しました。

 現在、最高裁への署名をお願いしています。高裁の35万筆を上回る数を集めたいと思います。街頭・駅頭宣伝のほか、政府や裁判所、国会議員への要請行動をはじめ、国土交通省、厚生労働省などに自主解決への働きかけを求める要請にも取り組みます。

 この裁判のことをもっと多くの人に知ってもらうことも大事です。集会や学習会も旺盛に開き、日航を包囲する世論を高めます。

 引き続き、署名へのご協力と中央・地方で開く支援集会にご参加ください。今後も物心両面にわたるご支援をよろしくお願いします。

(新聞「農民」2014.7.28付)
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2014年7月

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