「農民」記事データベース20140714-1125-11

私が育てた「会津木綿」で
肩掛けバッグ作りました

福島 会津農民連
佐藤常子さん


在来種復活させて
町おこしの力にと

画像  自家栽培した綿花から紡(つむ)いだ木綿糸で布を織り、小さな肩掛けバッグを作りました。

 私の住む福島県会津地方は綿花栽培の北限地です。昔から「会津木綿」の産地として知られ、かつては寒い地方でも丈夫に育つ在来種の綿花を栽培していました。近ごろでは「めんこいくらぶ」と称して、この在来種の綿花を復活させてグリーンツーリズムと結びつけ、町おこしの力にしていこうという取り組みも始まっています。

 わが家でも昔から、細々とですが、綿花を作り続けてきました。4月に種まきして、10月に手で綿花をつんで収穫します。その綿花を、「綿切り」といって、綿花の中に隠れた種を取る作業をした後、地元の布団屋さんに頼んで繊維を柔らかくしてもらいます。これを「綿をぶつ」といいます。ぶった綿を、今度は「こま」を使って手作業で糸に縒(よ)ります。10グラムの綿を糸に縒るのに、根詰めて(集中して)やっても1時間はかかります。こうしてできた糸を織り機で織り上げ、バッグに仕立ててできあがりました。

 綿花栽培から布に織り上げるまでには、気の遠くなるような手作業が続きます。今回のバッグ作りには縦糸は機械で縒った糸を使い、自作の木綿糸は横糸だけだったので100グラムくらいでできましたが、一反の木綿生地ともなると約800グラムほどと言われています。今では外国製の洋服が安く買えますが、本来、布や服はとても手間のかかった貴重なものでした。

 手で糸を縒るのは難しく、太さもなかなか均一になりませんが、布に織り上げてみるとそれがかえって手作りの味わいになり、安心しました。すごくうまく出来上がらなくても、楽しいのが手作りのいいところ。これからも会津木綿を作り続けていきたいと思います。

(談)

(新聞「農民」2014.7.14付)
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2014年7月

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