農産物検査員研修会
ふるさとネット
今年から交付金の数量払い始まる
飼料用米も検査業務を研修
米の検査技術と農産物品質の向上を図る農産物検査員研修会が6月27日、都内で開かれました。茨城、千葉、埼玉、静岡、愛知各県から14人が参加しました。
今年から、飼料用米の交付金に数量払いが導入され、飼料用米も検査が必要になりました。それらに関わる検査業務の研修が主題で、講師には農水省関東農政局の検査技術指導官、相澤努氏を招きました。
今回の改定によって、飼料米の規格に等級はなく、もみ、玄米とも「合格」と「規格外」に区分されました。また、異物が50%以上混入したものなどは「不合格」とされます。検査証明について、紙袋など容器ごとに、個々に検査証明を求めない一括証明も可能としています。その他、改定部分を中心に、制度の全体を実際の検査に即して学びました。
質疑応答の中では「飼料用米の単価は非常に安いため、検査費用の負担が農家に重くのしかかる」「新しい制度では数量によって最大10万5000円が交付されるが、交付金がいつまで続くのか不透明」など、率直な不安や疑問が出されました。
研修に続いて検査員の交流会では、「農産物検査員として、単に品位の検査をするだけではなく、農家をフォローし、品質・生産技術の向上につながる取り組みが大切だ」ということが論議されました。
特に胴割れ粒の発生は食味に影響し、「小売店と消費者からは敬遠され、価格を下げても買ってもらえないので、農家に対策の徹底が必要」などの意見が出されました。それに対し「乾燥機を低温で丁寧に通すことで、胴割れはかなり軽減できる」などの経験が語られ交流しました。
(農民連ふるさとネットワーク 笠原尚)
(新聞「農民」2014.7.14付)
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