「農民」記事データベース20140714-1125-07

福島県農民連が東電・政府と交渉

国の責任で農家の健康守れ
福島農業応援する政策が必要

関連/川内原発を再稼働させるな!!


 福島県農民連は7月1日、東京電力と経済産業省、農水省、厚生労働省と、原発事故の損害賠償について交渉しました。

 福島県農民連は、(1)放射能検査機器の購入費用や、取引業者などから求められたすべての検査の費用を賠償すること、(2)農家の健康診断の無料化と経年調査、農地一筆ごとの実測による土壌汚染マップづくり、農地10アールあたり3万円の汚染への補償、(3)山林への賠償、などを求めました。

農水省・厚労省「農家は自衛を」

 土壌汚染と農民の健康被害に関しては、前回(4月22日)の交渉で農水省が「農作業時に2・5マイクロシーベルトを超えなければ特別の対策は必要ない」と回答しており、今回、この数字の根拠を示すよう求めました。

 これに対し厚労省は、除染作業労働者などの被ばくの基準を定めた「労働安全衛生法」の施行令を持ち出して、「被ばく線量が5年間で100ミリシーベルト、1年間で50ミリシーベルトであれば問題ない(国際放射線防護委員会=ICRPは、一般の人が浴びても差し支えないとされる1年間の被ばく基準を1ミリシーベルトと規定)」、「農家は自営業者なので、自分で放射線量を計測して、対策をとってほしい」と回答。

 参加者からいっせいに、「農家は除染労働者と違う。農家も一般の人の範囲内であるべきではないのか」「農家の健康は誰が守るのか。自己責任ということか」などの怒りの声が噴出しました。しかし「うちは労働者の健康を守るのが仕事」(厚労省)、「県民健康調査はやっている」(環境省)、「自分で自衛して」(農水省)などと、責任をたらい回しにし、農家の健康を守る政府部署もないことが明らかになりました。

 農民連は重ねて、「国はいま、避難区域を見直し、放射線量の高いところにも住民を戻そうとしている。もっと農家の被ばくが深刻化し、拡大する可能性を考えるべきだ」、「土壌調査や農家の健康問題に対応する部署を創設する費用を概算要求に盛り込むなどして、国の責任において対策をとってほしい」と要求しました。

 検査機器の購入および検査費用についても、これまでの交渉でも一貫して要求してきましたが、「米については国・県による全袋検査を実施しており、それ以上の検査は賠償しない」(経産省)、「100ベクレル以下の米なら安全だと消費者に宣伝することが必要」(農水省)などと回答し、賠償に背を向けてきました。

 今回も、この回答から一歩も出ないものでしたが、農民連は重ねて、「自主検査すれば福島の米を買いたいという消費者が増えている。賠償できないというなら、福島の農業を応援する部署を創設するなど政策的対策をとるべきだ」と求めました。


川内原発を再稼働させるな!!

ノーニュークスデー 東京・明治公園

 自民党安倍政権は、原発再稼働を明記したエネルギー基本計画を閣議決定し、その第1弾として鹿児島県川内原発を再稼働させようと画策しています。これに反対する「緊急!! さようなら原発 首都大行進」が6月28日、東京・明治公園で行われ、梅雨空のなか5500人もの人々が集いました。首都圏反原発連合、さようなら原発1000万人アクション、原発をなくす全国連絡会が共同で中央行動を呼びかける「ノーニュークスデー」の4回目の行動です。

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デモ行進の先頭を歩く木内さん(右から3人目)と鎌田さん(その左隣)

 女優の木内みどりさんが司会をつとめ、作家の鎌田彗さん、中山千夏さん、経済評論家の内橋克人さんらがスピーチ。集会後、代々木公園までデモ行進しました。

(新聞「農民」2014.7.14付)
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2014年7月

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