「農民」記事データベース20140707-1124-04

矛盾だらけの米政策

需要と価格の安定こそ政府の役割


米価暴落を放置し
いざというときは米の出荷命令
違反は懲役3年または罰金300万円

 今年産の米価が大暴落する懸念が高まり、農家の不安が広がっています。政府は「米価は市場が決める」などとして米価暴落を放置していますが、いざ米が不足すれば、「生産者や米業者に米の供出を命じ、従わなければ懲役刑や罰金刑」が待っています。

 米価暴落に直面する生産者はもとより、在庫差損に苦しむ中小の米業者にとってもあまりにもバカにした米政策の現状です。

 「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」(食糧法)は、「政府は、米穀が不足し、国民生活に支障を生ずるおそれがある場合には閣議決定を経て、生産者や米業者などに米穀を政府に売り渡しを命ずることができる」としています(37〜39条)。また、従わなければ「3年以下の懲役又は300万円以下の罰金」としています。(55条)

 こうした規定は主食の米の安定的な供給が、国民の生活にとって重要だからこそ設けられたもので、政府が「米の需給と価格の安定に責任を持つこと」が大前提です。しかし、政府は米の暴落を放置し、米や米農家などを粗末に扱いながら、いざとなったら罰則付きで米の供出を強制しようというのです。これでは国民に対しても国産米の安定した供給が危ぶまれます。

 政府は食糧法の趣旨にふさわしく日ごろから需給と価格の安定に責任を持ち、中小の米業者や米生産者を大事にする政策を実行すべきです。

(農民連ふるさとネットワーク 横山昭三)

(新聞「農民」2014.7.7付)
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2014年7月

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