「農民」記事データベース20140630-1123-17

本の紹介

橋爪健 著
新版 緑肥を使いこなす
石井孝昭 著
著菌根菌の働きと使い方


輪作体系のすばらしさを
土壌微生物の観点から解明

画像 画像  3月19日付の農業協同組合新聞に、太田原高昭北大名誉教授が「世界に誇る『4年輪作体系』北海道農業の実力」と題する一文を寄せています。

 農業基本法の優等生として大型化につき進んだ北海道農業は、10年を過ぎるころから連作障害に苦しみ始めます。しかし、生産農民はその苦しみの中から、試行錯誤を繰り返し、豆、麦、ジャガイモ、ビートの4連作を、早いところでは40年前から確立します。この輪作体系は、今では連作の本場EU(欧州連合)の農業技術者が視察に来るほど、素晴らしい組み合わせです。

 この素晴らしさを、作物自身が持つ効果や、土壌微生物の働きなどの観点から解明し、都府県の野菜生産にも生かせないか、と提起している2冊の本と出合いました。

 豆類が持つ窒素固定やジャガイモのソウカ病抑制効果、麦類のリン酸吸収促進効果と粗大有機物の投入効果、ビートの肥料吸収力を利用し、また豆類に戻る4連作が、細菌と病害虫抑制、さらには、投入肥料の抑制を兼ね備えた体系であることが読み取れます。

 両書ともに、農文協から出版。

 興味のあるところから、辞書のように活用できる本だと思います。ぜひ一読をお勧めします。

(農民連常任委員 齋藤敏之)

(新聞「農民」2014.6.30付)
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2014年6月

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