「農民」記事データベース20140623-1122-07

農民連女性部
夏の学習会


2つのテーマ

戦後日本の憲法・農政
築地市場の移転問題

 農民連女性部では年間を通じて学習に力を入れて取り組んでいますが、6月7日の役員会後にも学習会を開き、2つのテーマで学びました。

 1つ目のテーマは「戦後日本の平和・憲法・農政について」。農民連の笹渡義夫事務局長が講師を務め、第二次世界大戦と日本国憲法の制定、自作農主義に基づいた戦後の農地改革と農政、安倍政権の「戦争できる国づくり」への暴走、戦後農政を総決算するアベノミクス「農政改革」とTPPなどを解説しました。

 戦後日本の歩みと、いま自分たちが直面している政治や農政の矛盾とを、縦横無尽に結んで解き明かした笹渡さんの話に、女性たちからも質問が噴出。

 「安倍政権の翼賛政治に反対する国民の声はこんなに強いのに、なぜ世論調査などでの支持率が高いのか」「テレビやマスコミでは毎日、中国や北朝鮮の脅威ばかり報道され、まるで国民に集団的自衛権が必要だと思いこませるようだ」などの質問や意見が上がっていました。

 卸売市場制度が地域を守る力に

 学習会の2つ目のテーマは「築地市場移転問題と新自由主義」。東京・築地市場で働く労働者で組織する全労連・全国一般東京地本東京中央市場労働組合書記長の中澤誠さんが講演しました。

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約700軒もの水産仲卸が扇状に配置された築地市場内を、荷物運搬車が猛スピードで行き交う。威勢のいいお兄さんに呼びとめられて、マグロを物色中の女性たち

 中澤さんは、卸売市場の仕組みをわかりやすく紹介しながら、「品質の良いものに、高い値段がつく」というセリ取引の特性が、生産者にとっても、消費者にとっても適正な価格を形成し、地域経済を守る力にもなっていることを説明しました。しかし現在では、規制緩和政策のもとで大量買い付けを行う大型スーパーなどの相対取引が激増し、今後さらに大型スーパー・外食産業に都合の良い流通制度へと改悪されようとしていること、また築地市場の移転もこの流通制度改悪の一環として浮上した計画であることを紹介しました。

 移転先となる豊洲新市場には、土壌汚染や非効率きわまりない施設計画などの問題も山積しています。中澤さんは「卸売市場制度の破壊は、TPPをはじめとした新自由主義的な政治と重なっている。商店街や産地を守るのが卸売市場の役目。日本の農林水産業を活性化し、食料自給率を上げるためにも、卸売市場制度と築地市場を守ろう」と訴えました。

 早朝5時半からセリ取引を見学

 翌日の7日早朝には、7人の女性が活気あふれる築地市場を視察。早朝5時半から行われるマグロのセリ取引などを見学し、威勢のいい仲卸のお兄さんと丁々発止のやりとりの末、ホンマグロの刺身を格安で入手するなど、築地市場ならではの買い物も存分に楽しみました。

(新聞「農民」2014.6.23付)
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2014年6月

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