「農民」記事データベース20140616-1121-12

旬の味


 消雪しながらのハウス準備と種まきからスタートした今年の米作りも1カ月が経過。苗は順調に育ち、5月下旬に田植えを終えた。毎年思うことだが、農民の底力は大したものだと感心する▼短期間に育苗、耕起代かき、田植えとあっという間に田んぼを緑一色に変えてしまう。機械化されたとはいえ、付随作業は相当きつい。だが、黙々と仕事に励み、難なくこなしていく。きっと長年培った助け合いの心と農の技がそうさせるのだろう▼先祖から受け継いできた田園には、汗と涙と喜びがつまっている。耕し続けてきた農民としての誇りと意地がある。どこの農村でもみかける光景だ。「日本の米カレンダー」をめくると、棚田で補植作業する主婦の姿がすがすがしい。写真家の思いが伝わる▼「このやさしさが山を守り水を作り、日本人の感性を磨き、この国の文化を育ててきた」との解説文にうなずく。早苗が秋の実りに向け、ゆっくりと葉を伸ばしている。今夏は冷害が心配との長期予報がでた。杞憂(きゆう)であってほしい。

(長)

(新聞「農民」2014.6.16付)
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2014年6月

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