県農民連
共産党県議団と現地視察
埼玉県北・大雪被害
行政から情報届かない
助成金まだ出ていない
先の見通しが立たない
再建への厳しい道
早く生産したい
埼玉県農民連と日本共産党埼玉県議団は、2月の大雪被害・農業再建の視察を行いました。
視察団は、熊谷、深谷、本庄の農家を視察。県の大里農林振興センターで現状の説明を受けました。
熊谷市の稲村輝生さん(38)=露地野菜農家=はトンネル栽培が主のため国の助成の対象外。「市独自の予算措置による支援が実現し助かったが、必要な情報が農家まで届いていない」と話します。
深谷市のイチゴ農家ではやっとハウスの撤去が終わったところでした。「出荷が始まった所の大雪でほとんど出荷できなくて数百万円の損失が出たが、農産物に対しては全く支援がなく、一刻も早く再建しないと生活できない」と厳しい状況を話していました。
本庄市の加藤勘治郎さん(63)はトマトのハウス1300平方メートルが倒壊しました。「本庄市はようやく要望の調査が終わったばかり。このままでは再建が、今秋はおろか来春に間に合うかどうか。撤去費用の支払いだけでも早くしてほしい」と見通しの立たない状況に悩んでいます。
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ハウスの撤去が終わった農地を前に説明を受ける視察団 |
視察団は深谷市役所も訪問し、小島進市長とも懇談。市長からは「国から支援のスケジュールが全く示されない中で、市がわかりやすい書式を作って、再建の申請手続きを今日から始めたところだ」と説明がありました。
視察後、県議団と埼玉の産直組織、埼玉県産直協同(熊谷市)のみなさんが懇談。高橋正巳組合長は「先の見通しが立たず、撤去費用で生活費がなくなったという声が出ている。農家は助成金が出たからと言ってもうかるわけではなく生産手段が元に戻るだけ。早く生産が再開できないと生活できない」と訴え、協力を要請しました。
松本慎一埼玉県農民連事務局長は、「3カ月経ったが、まだほとんどの農家が、撤去費用すらまったくもらっていない。半額でもいいから支払われれば、農家は勇気づけられる」と訴えました。
農民連本部の吉川利明事務局次長は「撤去費用は助成の対象外だったが、被災地の運動と交渉を重ねて農家負担のない助成を実現させてきた。今日の視察で国の施策と現場のギャップの大きさに驚いた。農水省に現状を突きつけ、改善させていきたい」と述べました。
村岡正嗣県議会議員は「県がスピード感を持って対策に取り組む必要がある。みなさんから聞いた現状、要望を申し入れなどで県に伝えていく」と話していました。
(新聞「農民」2014.6.16付)
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