生物多様性の保護戦略
ドイツの取り組みから学ぶ
全国環境ボランティアリーダー会は4月29日、生物多様性国際シンポジウム「環境先進国ドイツのNPOから学ぶ、生物多様性戦略と広報力」を開き、ドイツ自然保護連盟(NABU)から2人のゲストを招いて、講演とパネルディスカッションを行いました。2人の講演大要を紹介します。
絶滅種だけでなく他の生物にも注目
NABUヘッセン州支部代表のゲルハルト・エプラーさん ドイツでも日本でも生物多様性は重要な問題です。自然保護に関わっている人は、絶滅の恐れのある種だけを保護するのではなく、その他の生物にも目を向けることが大切です。種類が増えれば、その種にあった環境づくりが必要です。保護戦略にも多様性が求められるのです。
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講演するエプラーさん |
さまざまな市民団体が手をつないで活動することが必要です。そうすれば、政府に働きかけることもできます。
ドイツでは、NPOが力を合わせて、政府に対し、自然破壊を許さない自然保護地域を指定し、つくらせています。ヘッセン州では1・5%ほど指定されていますが、もっと広く指定させるべきだと考えています。今後も大きく広がるよう活動していきます。
興味を集めるため広報の役割が重要
NABUラインラント・ファルツ州支部広報担当官のライナー・ミヒャエルスキーさん 私たちの広報活動は、年間プランを定め、ホームページの情報提供、イベントでの資料配布、ラジオインタビュー、地域講演会などが中心です。
たとえばハチを保護するプロジェクトでは、ハチの役割について詳しく説明します。実際に巣箱をつくり、庭に飾ってもらうことも行います。
さらに学校でハチについての講義を行い、子どもたちだけでなく、村長をはじめ、環境問題に携わる人たち、村民にも聞いてもらって、興味をもってもらい、協力を仰げるようにします。
やはり大切なのは、広報活動です。新聞や雑誌とコンタクトをとり、取り上げてもらえるよう働きかけます。
(新聞「農民」2014.6.9付)
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